NiziU、ドキュメンタリーに映し出された初々しい姿と惜しみない努力 カメラの前でもナチュラルな9人の輝き

[We NiziU!~We need U!~] #2 Highlights

 一日でピラティス、韓国語、ボーカル、ダンスのレッスンをこなすハードスケジュールの後もNiziUは自分たちで夕食をつくる。MAKO、RIO、MAYAの年長組が率先してみんなの料理をつくる姿が2話の冒頭で映し出された。そんな3人の周りで「お腹すいた~」と甘える年下のメンバー。「最初はMAYAがいなかったらほんとにヤバかったと思う」(RIO)、「MAYAから始まりみんなが料理に興味を持ち始めて上手くなった」(RIKU)とみんなが口々に語るように、MAYAはやはりメンバーの“お母さん”的存在なのだ。それぞれに役割があり、家族のようなチームワークを築いているNiziUはカメラの前でも自然体。そんな姿を見て、『Nizi Project』でJ.Y. Parkが彼女たちに教えたJYPが追求する3つの価値観を思い出した。

「僕が君たちに期待することは、歌とダンスの実力が全部ではありません。それに劣らずもって欲しいものは、立派な人柄です。その理由は、君たちが世の中に良い影響を与えて欲しいからです」

 世の中に良い影響を与えるために必要なのは、真実・誠実・謙虚。その言葉通りに9人はカメラの前でも家族や友人に近況を報告するかのように、嘘のない“ナチュラル”な姿を見せる。メンバー同士で頻繁に褒め合っているのも、周りにいる人の長所を見つけて、心から感謝してほしいというJ.Y. Parkの願いをしっかり受け止めているからではないだろうか。また、自分自身と向き合い、努力を続ける彼女たちの誠実さも至るところに見つかる。寝る前でもストレッチをしているRIOや、みんなが寝静まった後も学校の課題に取り組むRIMA。他のメンバーもそれぞれ美容に気を使い、最年少で弱冠15歳のNINAも昼食時にスキンケアを始めたことを明かしていた。彼女たちがこの1年でさらにビジュアルが磨かれた背景には、このような小さな努力の積み重ねがある。『Step and a step』のジャケット撮影に臨む9人は内側からキラキラと輝いて見えた。

 アイドルが偶像という意味を持つように、かつてはどんな時も完璧で隙のないアイドルが求められていたように思う。だが昨今、J.Y. Parkが『Nizi Project』で何度も口にした“ナチュラルさ”がより重視されているように感じる。友達のように親しみやすくて、周囲に挨拶や感謝ができる。そんなお手本にしたくなるような、尊敬できるアイドルグループをJ.Y. Parkはアジアから世界に売り出したかったのではないだろうか。NiziUはそれに相応しいメンバーが揃っているからこそ、たくさんの人を熱狂させる力がある。『We NiziU!~We need U!~』はNiziUがデビューするまでの道のりに密着するとともに、未来のアイドル像について考えさせられるJ.Y. Parkのマネジメント論のようなドキュメンタリーだ。

■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。Twitter:@bonoborico

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