米津玄師「感電」MVに収められた新鮮な表情とユーモア 隙の無い洗練から小粋な遊び心へ

 運転手目線のカメラワークは上下にぶれたり、不意にズームアウト/ズームインしたり、映す方向が変わったりするが、まるで人の視線の動きのような、作り手の作為を感じさせないカメラワークがかえってリアルだ(犬がフロントガラスを走っていったときの衝撃に合わせて、画面全体が揺れるのも臨場感がある)。一方、これぞMV!と言いたくなるような、“曲のなかの強調したいリズム(メロディ)に合わせて映像に動きをつける”という手法を採っている箇所もある。「感電」のMVにおいて強調されているのは、イントロやサビに登場する「ダダダダッ/パッパン/(休符後に)パァン」というホーンのリフ。一番分かりやすいのは、1:03~1:05(リズムに合わせてカメラを左右に揺らす→ズームイン)だが、このリフが登場するときは必ず映像にも動きがあるため、ぜひ注目してみてほしい。MVを見終えたあと、このリフが頭から離れなくなっていたとしたら、彼らの思うツボというわけだ。

米津玄師 MV「感電」

 隙の無い洗練から、小粋な遊び心へ。曲からもMVからもステージの変化が読み取れるが、8月5日にリリースされる5thアルバム『STRAY SHEEP』もそういうモードなのだろうか。アルバムの到着を楽しみにしていたい。

■蜂須賀ちなみ
1992年生まれ。横浜市出身。学生時代に「音楽と人」へ寄稿したことをきっかけに、フリーランスのライターとして活動を開始。「リアルサウンド」「ROCKIN’ON JAPAN」「Skream!」「SPICE」などで執筆中。

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