『バンドリ!』『ヒプマイ』……性別を超えて盛り上がるキャラクターコンテンツ 声優シーンの行方はどうなる?

 これまで男性キャラクターがメインだった音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク』に、女性キャラのみの新ユニット・中王区が誕生。逆に次世代ガールズバンドプロジェクト『BanG Dream!』からはボーイズバンドプロジェクトが派生し、現在『アルゴナビス from BanG Dream!』としてTVアニメも放送されている。こういった動きは、キャラクタープロジェクトや声優アーティストシーンの今後にどういった影響を与え得るのだろうか。

【OP映像】TVアニメ「アルゴナビス from BanG Dream!」星がはじまる/Argonavis

何を応援してもいい! ファン側ではすでに取り払われた性別という旧来の“壁”

 一昔前までは、作品自体の男性向け・女性向けといったカラー通りに作品ファンの性別もほぼ分かれていたことが多く、特に女性向けコンテンツを追いかける男性は今より遥かに少なかった。しかし特に近年では、男性キャラがメインの作品にも男性ファンが増加。かねてから一定数存在した、女性メインの作品における「かわいい女子が好きな女性」「カッコいい女性に憧れる」といった女性ファンと相まって、惹かれた作品を愛するには性別の問題はほぼない時代が到来した。これは、いわゆる“オタク”と呼ばれる層に対する無根拠な偏見が衰退し、他のカルチャーと同一の趣味として認識されていった流れと並行して起こっていったようにも感じられる。

 なかでも近年特徴的なのが、現在『キラッとプリ☆チャン』(テレビ東京)が放送中の“プリティーシリーズ”だろう。例えば『プリティーリズム・レインボーライブ』のスピンオフ作品『KING OF PRISM』では、“応援上映”に男性専用回も用意されるほど熱狂的なファンを獲得。また、『アイドルタイムプリパラ』では主人公・夢川ゆいの兄・夢川ショウゴの所属する3人組男子ユニット・WITH(『プリパラ』シリーズとしては初の男子ユニット)が登場。元々女児ターゲットのシリーズではあるものの、作品ライブの開催や出演者のパフォーマンスなども含めて男性人気も高かった作品だが、その作品ライブにおいても他ユニットと変わらぬ大きな声援を浴びていた。

 逆に女性メインの作品における同性人気の高いものとしては、やはり特筆すべきは『ラブライブ!』シリーズ。作品のストーリー自体に惹かれたのはもちろん、各メンバーのかわいさに惹かれ、パフォーマンスの精度やカッコよさに憧れる女性は後を絶たない。

 しかし、ファン側の性別の壁が取り払われたからといって、何もかもを男女混合させるべきというわけではない。かつてはその結果として、ファンの失望を招いてしまうこともあった。今でこそ『アイドルマスター SideM』が男女を問わず人気を得ている『アイドルマスター』シリーズでさえも、初めてライバルとして男性アイドルが登場すると発表された際には大きな批判を浴びたことがあるほどなのだ。

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