関ジャニ∞、『クロニクルF』に感じる5人の“無限大の可能性” 放送から見えたそれぞれの個性

 4月27日に初回放送を迎えた『関ジャニ∞クロニクルF』(フジテレビ系)。約5年間にわたり放送された『関ジャニ∞クロニクル』から改題、新番組としてリスタートを切るにあたり、大きく2つの点が変化した。

 まずなんといっても全国放送への放送地域拡大だ。関ジャニ∞が出演するバラエティ番組としては初めてFOD、TVerでの見逃し配信が可能になったことも含め、これまで「見たくても見られなかった」多くのファンが、同番組を視聴できるようになった。

 次に、月曜23時への放送時間の移動。5月2日号の日刊スポーツ「Saturdayジャニーズ」にてメンバーの横山裕も話していたが、23時はいわば深夜番組のゴールデンタイム。これから多くの一般視聴者層が、番組を目にすることだろう。

 とはいえ、一般層を意識しすぎると、ファンにとって物足りない番組になりかねない。反対に、ファン受けを狙いすぎると、一般層が離れる可能性もある。

 同番組は、初回にあえて「攻めた内容」を放送することで、ファン以外の一般層を番組に引き込んだ。初回放送の新聞ラテ欄には「カラス解体」の文字。好みは分かれるにせよ、他の番組ではまず見ることのない企画だ。口コミで話題になることも見込んでいたのだろうか。

 さらには「横山の相槌問題」のように、誰が見ても面白く、ファンにとってはたまらない“見どころ”を作った。ゲストを呼ばないことで、気張らない、メンバー5人だけのトークを楽しむこともできる。

 メインターゲットであるファンを満足させつつ、一般層も「面白い」と思うバランス。初回放送はここを、まずまずうまく突いていたように思う。

 カラスの解体&実食のロケに出たのは横山裕と大倉忠義。横山は、本人いわく「ロケのやりすぎ」により、カラスを前にもまったく動じない。まるで店に弟子入りするかのごとく、真摯な姿勢でカラスと向き合い、解体していく。実食では「美味い」を連発し、男らしく骨ごとかぶりついた。彼はどちらかといえばビビリキャラだと思っていたのだが、ロケに対する前向きな姿勢に脱帽した。

 一方、カラスを前に眉をひそめ、触れること、食べることにためらう大倉。横山との表情の対比が面白い。ときにへたれキャラの顔を見せる大倉だが、今回の企画においては決して彼がへたれだとは思わない。大倉自身も言うように、このロケでは彼の反応が普通であり正解である。視聴者の多くが、終始、大倉と同じ表情で番組を見ていたことだろう。彼の冷静なツッコミとワードセンスが、奇抜な企画をバラエティとして成り立たせていた。

 横山だけでも、大倉だけでもこの企画の面白さは爆発しない。2人の両極端なリアクションがあるからこそ、不可思議で独特なバラエティが成立する。初回にこのテーマを持ってくること、成立すると見込んだことに、制作陣の関ジャニ∞への信頼を感じる。

 カラスの捕獲・解体を見ながら「かっこいい」「やりたい」とワイプで目を輝かせ、「マタギの資格を取りにいこうと思っている」と、首にクマのチャームをぶら下げながら語る安田章大もまた、ツワモノだ。初回だけで、少なくともメンバー5人中2人がけっこうな変わり者だということが判明。新番組としての爪痕は、しっかりと残した。

 ラストは5人で「友よ」を熱唱。グッとくる、愛のあるメッセージとともに初回放送は終了した。ジェットコースターのような、あっという間の時間だった。

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