関ジャニ∞ 大倉忠義と高橋優のラジオ終了が惜しまれる理由 二人の会話がリスナーに与えた“希望”

 関ジャニ∞大倉忠義とシンガーソングライターの高橋優がパーソナリティを務めるラジオ『オールナイトニッポンサタデースペシャル 大倉くんと高橋くん』(ニッポン放送)が、この3月いっぱいで終了することになった。2月29日放送回で、「この数年、録音でお送りせざるを得ない機会が増えたように、この先2人のスケジュールを合わせるのが難しい状況になってきました」と、発表された突然のお知らせ。多くのリスナーが驚きを隠せず、SNSを中心に惜しむ声が多く寄せられた。なぜ、これほどまでに同番組は支持を得ているのか。

リアルタイムでつながれる場所

 2015年4月からスタートした同番組は「週末の反省会的番組」「男ふたりが友達とだべっているような番組」と銘打ち、「なるべく生放送」にこだわってきた。ときには、全国ツアーなどの影響で、遠隔操作になったり、やむを得ず収録回となったこともあったが、そのイレギュラーな対応をするほど忙しい時期であることも体感できるのがうれしかった。

 ツアー中の過ごし方や、最近気になったこと、本番直前に何を食べたのか……など、その会話の中身は他愛もないことばかり。でも、私たちが大切な人について知りたいのは、実はそんなくだらないことばかりだ。それは、テレビや雑誌などメインの企画がある場面ではなかなか感じることが難しい、ラジオならではの空気感。

 大倉がドラマ『モンテ・クリスト伯−華麗なる復讐−』(フジテレビ系)に出演していた時期には毎週、高橋が興奮気味に感想を伝えていたのが懐かしい。「ひどすぎるでしょ、大倉さんのやられ方」と、主人公に復讐される役柄を演じていた大倉に対して、大いに肩入れする姿はファンの視線そのもので、実に微笑ましかった。

 そんな高橋だからこそ、メンバーの脱退が続いた関ジャニ∞波乱の時期を、友人でありファン代表のような目線で、大倉に寄り添い、率直な思いを引き出してくれたように思う。大倉もまた高橋の口から語られる言葉に、ファンの気持ちを汲み取ってくれていたに違いない。この番組は、2人のリアルな思いを吐き出せる場所でありながら、ファンの思いも伝わっていると感じられる空間だったのだ。

 すぐに受け止めるのは難しいことが起こっても、週末になれば直接彼らの言葉が聞ける場所がある。直接ファンに語りかけることができる場所がある。そう思えることは、どんなに貴重だったことか。リアルタイムでつながるというのは、同じホームを持つ仲だということなのだ。

仕事を熱く語れる場所

 ジャニーズアイドルとシンガーソングライターという、異なるジャンルで活躍する2人がレギュラー共演しているというのも、この番組ならではの面白さだった。高橋が煮詰まっているときには大倉と一緒に心配したり、お互いのライブを見た感想にほっこりしたり……。関ジャニ∞が5人体制になった以降はボイストレーニングに勤しむ大倉に、高橋が「どう?」と興味津々で聞くことも増えた。

 アイドルグループ内のメンバーがワチャワチャするだけとはまた違ったアーティスト同士の語り合いは、この番組の大きなスパイス。東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦がゲスト出演したときにも、音楽談義から、メンバーとの別れについて、熱く語り合っていたのも印象深い。

 どうしたらよりよい作品を届けることができるのか。表現者として経験を重ねる中で、ぶつかる新たな壁。乗り越えたと思ったら、また別の課題が見えてくる。その繰り返しの中で、別ジャンルで頑張る友人の存在は、きっとお互いにとって大きな刺激になったことだろう。

 そして、同時に、自分たちの表現に希望を見出し続ける彼らの姿に、私たちリスナーも勇気をもらった。長く続けていけば、困難が立ちはだかるのは、一般の仕事を手がけている私たちも同じだからだ。

 もっといいものができるはず、よりよい人生になるはずだと、諦めずに歩み続ける彼らの姿勢が、実際に多くのリスナーの背中を押してきた。夢を叶えた人、転職した人、結婚した人……人生って捨てたもんじゃない。そんなふうに思えるラジオ番組そのものが、彼らの作り上げたひとつの作品と言えるかもしれない。

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