コーチェラ、サマソニ、Reframe……Perfumeが世界中に真価を知らしめた2019年最重要ステージを振り返る

「デビューした時は、まさかこんなに長く続けられるとは思っていませんでした。自分たちも信じられなかったし、スタッフの皆さんも誰も想像していなかった未来を今、歩いています」

Perfume『Perfume The Best “P Cubed”』(通常盤)

 今年10月、「渋公」の名で長らく親しまれてきた渋谷公会堂がLINE CUBE SHIBUYAという新たな名称で約4年をかけて生まれ変わり、そのこけら落とし公演として16日から27日までの間、Perfumeの『Reframe 2019』が計8公演開催された。冒頭の言葉は、筆者が訪れた10月23日の公演のアンコールで、あ〜ちゃんが語った言葉である。

 Perfumeにとって2019年は、その真価を世界中に知らしめた1年と言っていいだろう。

 今から14年前の9月21日、シングル『リニアモーターガール』でメジャーデビューを果たしたPerfumeは、2007年に5枚目のシングル『ポリリズム』で注目を集めて以来、常に進化を遂げてきた。結成当時から彼女たちを見守り続ける振付師MIKIKOとともに、現在「チームPerfume」の中核をなすRhizomatiks(以下、ライゾマ)と出会ったのが、今から9年前。彼女たちの結成10周年記念として行われた東京ドーム公演(『Perfume LIVE@東京ドーム『1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11』』)である。巨大な風船が楽曲に合わせて点滅したり、メンバーが遠く風船をレーザーで撃ち抜いたりと、当時としてはかなり画期的な演出によって我々ファンを驚かせたことを思い出す。以来、Perfumeのライブでは欠かせない存在となったライゾマは、その時々の最新技術を惜しみなく注ぎ込み、常に私たちの予想を遥かに超えるステージを作り上げてきた。

[SPOT]『Perfume LIVE @東京ドーム 「1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11」』 DVD

 そんな「チームPerfume」に対する世界の注目度は、2016年の『リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック』閉会式で、MIKIKO率いるダンスカンパニーELEVENPLAYとライゾマがタッグを組み、およそ8分間のパフォーマンスを披露したことで俄然高くなった。そして、それに応えるかのように、今年に入ってからのPerfumeのライブ演出は、とにかく飛躍的な進化を遂げているのだ。

 まず、昨年末から新年にかけて神奈川・横浜アリーナにて行われたファンクラブ『P.T.A.』会員限定のカウントダウンライブでは、ドコモとのコラボレーション・プロジェクト『FUTURE-EXPERIMENT VOL.04 その瞬間を共有せよ。』を実施。渋谷のスクランブル交差点と横浜アリーナを最新鋭の通信テクノロジーで結び、ファンと「平成最後のカウントダウン」を共有するという前代未聞の試みがなされた。

【docomo×Perfume】 アリーナ伝心:FUTURE-EXPERIMENT VOL.04 その瞬間を共有せよ。

 また2月から4月にかけては、『Perfume WORLD TOUR 4th「FUTURE POP」』と題したアジア・北米ツアーを敢行。その合間には米国最大級の野外フェス『コーチェラ・フェスティバル』(コーチェラ)に出演するという快挙を成し遂げる。その時の模様は全世界に配信され、ディープラーニングを導入したライゾマの画期的な映像は、各メディアで大きく報じられた。なかでもローリング・ストーン誌の選ぶコーチェラ・ベストアクト16組に、ビリー・アイリッシュやチャイルディッシュ・ガンビーノ、テーム・インパラらと並んで選出されたことは、特筆すべき出来事だろう(参照)。映像を投影するための、高さ2メートルほどの半透明パネルが強風で吹き飛ばされ、それをステージ上の3人が必死で押さえながらライブをやり切った様子を、パソコンの前で固唾を呑み見守っていた人も多いはずだ。

 今夏は『サマーソニック』『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』など、日本の野外フェスに出演した3人。筆者はサマソニのステージを目撃したが、コーチェラとは打って変わり、小さな「お立ち台」が3つ配置されただけのシンプルなステージで、「楽曲とダンスさえあればPerfumeは成立しうる」ということを見事に証明してみせた。

 MIKIKOは、インタビューなどで“日本らしさを意識しなくても、一糸乱れぬダンスをしたり緻密な演出をすることで、日本の良さが滲み出てくる”とよく話しているが、あ〜ちゃん、のっち、かしゆかが一糸乱れぬダンスを極めれば極めるほど、3人それぞれの魅力がより顕在化されていく(キャラ立ちしていく)ことが何よりも興味深い。そのことは、冒頭に紹介した今年10月の公演『Reframe 2019』で、より強く感じたのだった。

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