プロダンサーが分析するジャニーズメンバーのダンスの個性 4つのトピックから解説
3.身体の可動範囲の大きさ/軌道の美しさ
ジャニーズのダンスナンバーはテンポも速く激しい曲調も多いので、無論それに合わせた振付は運動量が激しいですし、音数の分に応じた細かい仕掛けが含まれてきます。
テンポの速さに乱されず、身体を最大限に使って軌道をきっちり描くことは、単純に年齢が若いからといっても簡単にはできるわけではありません。
しかしそこは流石は天下のジャニーズタレント。ジャニーズWESTの神山智洋さんは、「Drift!!」のような複雑な振付の中でも身体をひとつひとつ的確に、然るべき場所におさめている様が印象的ですし、Hey! Say! JUMPの山田涼介さんや知念侑李さんも、身体の可動域を際限なく伸縮できるタイプ。軌道の美しさでいうとSexy Zoneのマリウス葉さんも、その確実さはピカイチです。
4.表現力/アレンジ能力
どれだけ振付をきっちり揃えても、いい意味で浮き彫りになるのが個人の心持ち。この曲にどんな気持ちを込めるべきか、この動きひとつにどんな想いを込めるべきか……そう言った細やかな気持ちを汲み取る先天的なセンスは、その人自身のキャラクターが最も浮き彫りになるポイントかもしれません。
たとえば嵐の松本潤さんはとても繊細な感性の持ち主であるように感じますし、KAT-TUNの上田竜也さんは大胆で情熱的。与えられた振付をそのまま踊るのではなく、いかにして自分のフィルターを通して表現するか、ということに日頃から向き合っている実直な方なのだろうな、と想像できます。長年のキャリアがあるベテランだからこそ出せる味わいとも言えるでしょう。
さて、こうしてダンスだけでもトピック別に注目してみると、個々の特徴はもちろんグループごとのバランス感覚なども色鮮やかに見えてきます。あくまでも自分の視点ですし、もちろん名前を挙げきれなかった方でも素晴らしい踊りをする方がたくさんいます。皆さんがパフォーマンスを見るときのちょっとしたヒントになってもらえれば、きっとダンサーとしてのメンバーの魅力を再発見できるはず。歌って踊ってパフォーマンスする。言葉は簡単ですが、汗や努力の結晶が滲み出た本当に楽しいエンターテインメントです。
■Yacheemi
読み方はヤチーミ。ダンサーとして国内~ジャマイカでバトル・コンテストでの入賞を経験し、ひょんなことからヒップホップ・グループ「餓鬼レンジャー」の正式メンバー兼マスコット「タコ神様」(要検索)として加入した異例のフリースタイラー。ナイトクラブを主戦場にしながら、DJ・ライターとしても駆け出しで活動し、バンド「G. RINA & MIDNIGHT SUN」ではダンス&コーラスも担当するなど、各所で擬態を続けている。