日向坂46、新曲「キツネ」は坂道グループの新たな試みに? 初オンエアを機に考える

 日向坂46(以下、日向坂)が、7月17日に2ndシングル『ドレミソラシド』を発売。全TYPEに収録されたカップリング曲「キツネ」が、6月17日放送の『ゆうがたパラダイス』(NHK-FM)で初オンエアされた。そこで本稿では「キツネ」について解説していきたい。

日向坂46『ドレミソラシド』(通常盤)

 そのまえに、1stシングル『キュン』と『ドレミソラシド』を比較してみよう。まず『キュン』は、新旧両方のファンが楽しめる作品だった。表題曲では〈キュン〉を連呼するキャッチーな曲調やダンスを設けて“日向坂”というグループのカラーを示唆した一方、カップリング曲「JOYFUL LOVE」や「ときめき草」は、前身であるけやき坂(ひらがなけやき)の特徴とも言える硬派でエモーショナルな楽曲になっていた。つまり、ひらがなけやきから現在にかけての彼女たちを表したような“自己紹介”シングルになっていたのだ。また、こうした同シングルの方向性は、加藤史帆が改名直後に語っていた「乃木坂46さんが持つ清楚さや、漢字欅さんのカッコよさとか......いろんな強みを持ったハイブリッドグループになるのが目標です!」(参照)という目標にも近い。

 また、2ndシングル『ドレミソラシド』は、より日向坂のカラーを濃密にした作品だ。〈ドレミソラシド〉を連呼した表題曲だけでなく、カップリング曲である「キツネ」もまた〈キツネ〉や〈コンコン〉を何度も繰り返す言葉の洪水のような楽曲になっている。同作のカップリング曲は他にもあるが、全メンバーが歌う楽曲は「ドレミソラシド」と「キツネ」の2曲のみ。これは、欅坂46(以下、欅坂)があっての「ひらがなけやき」という時代を断ち切り徹底した独自路線で行くという、他の坂道系との差別化を図る実験なのだろうか。

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