愛美×相羽あいな× Raychellが語る、『バンドリ』から生まれた三者三様のサクセスストーリー

『バンドリ』キャスト鼎談

「あいみんの声は笑顔で泣かせにくるタイプ」(相羽)

――音楽性が違うのはもちろんですが、たとえばPoppin'Partyのみなさんは“全員で一緒に前に出ていく”雰囲気が魅力的ですし、Roseliaはみなさんテクニカルな演奏をしつつも、相羽さん演じる“友希那を中心にしたバンド”ということが意識されている雰囲気があって……。一方で、RAISE A SUILENのみなさんは、Raychellさんと夏芽さんがどっしりと構えて、他の3人が自由に暴れている印象で。各バンドのカラーは、本当に全然違いますよね。

愛美:確かに! (Raychellに)どうですか?

Raychell:RASの場合は夏芽が曲の締め方を考えてくれたり、パフォーマンスはある程度私がアイデアを出しているんですけど、(小原)莉子ちゃんや(倉知)玲鳳ちゃん、つむつむ(紡木吏佐)が本当に自由に暴れてくれるので、そこが魅力に繋がっていると思います。RASの楽曲って、私の声がしっかりしている中でコーラスがすごく可愛いというギャップも魅力のひとつですけど、それに加えて、ライブでは私と夏芽以外の3人が、「そんなに動かなくていいよ!」「そこまで出なくていいよ!」というところまで、あの3人は出て行くので(笑)。今となっては、それがRASのライブの魅力になっていると思います。

愛美:きっと、夏芽さんとRaychellさんがどっしり構えてくれるから、3人が自由にできるんでしょうね。その結果、「より魅力的なものへ……!」となっていくのを感じます。

Raychell:逆に、私がPoppin’Partyを見ていて思うのは……『BanG Dream!』になくてはならない、キラキラドキドキした青春や夢や希望が詰まっているということで。自分の青春時代にも重なりますし、曲とメロディのリンクがよくて、一曲一曲がすごく沁みるんです。香澄ちゃんたちが「何のために歌うのか」というストーリーが曲の中にも入っていますしね。

――Poppin'Partyの曲は、明るい曲なのに感動して泣けてくる瞬間がありますよね。

相羽:そうですよね。あいみんの声って、笑顔で泣かせにくるタイプの声だと思うんですよ。「何であいみんは笑顔なのに、私は泣いているんだろう……」って、いつも思います。

Raychell:素敵。

相羽:Poppin'Partyは歌詞でも、辛いことや悲しいことを、そのまま歌わないですよね。こう言うと「変だ」って言われるんですけど、私、Poppin'Partyのライブでは序盤から泣いてしまうんですよ(笑)。

愛美:どこで?(笑)。

相羽:『7th☆LIVE』だと、(当日の観客を映した映像をバックにキャラクターが喋る)ボイスパートからライブがはじまったじゃないですか。そこで「ポピパのみんながいる!」と思っていたら、その後あいみんたちがひとりひとりステージに出てきて、その時点で泣いた……。

愛美:(笑)。ポピパは、それぞれのメンバーに“できないこと”が多いんです。ひとりひとりができないから、みんなで補って、支え合っていて。そんな風にお互いの弱さを認め合って、自分に出来ることを頑張る5人なので、それで一緒に歩んでいるような感じを持ってもらえるのかもしれないです。あと、必ず毎回のライブで成長を感じてもらえている気もしていて、一番等身大に近いリアルバンドだとも思っています。みんな完璧じゃないけど、みんなでだったら夢を叶えられるような、そんなバンドだと思うんです。

「香澄が“愛美”自身の可能性も広げてくれる」(愛美)

――Roseliaはどうでしょう?

相羽:Roseliaはもともと「友希那がはじめたバンド」という経緯があるので、それをみんながどこかで考えてくれている結果、“友希那を中心にしたバンド”というイメージに見えるのかな、と思いました。私たちの場合、それぞれ自由にやっている部分もありつつ、同時に「どうすれば全体として綺麗に見えるか」ということを、みんなが考えてくれていて。みんなで集まってバンドの話をすると、それぞれの意見がリンクする瞬間があるんですよ。ただ、相羽あいなとしてはみんなにいじられていますし(笑)、「Determination Symphony」は(工藤晴香演じる氷川)紗夜がメインだし、「陽だまりロードナイト」は友希那が歌っているけれども(中島由貴演じる今井)リサがメインだし。どうしたらその人の曲として見せられるのか、ということも考えています。その上で、キメるポイントは徹底していて、バンドの世界観を大切にしたいという気持ちがあるから、そんな風に見えるのかもしれないですね。

――では、他にもお互いに違いを感じるところというと?

愛美:MC! MC!

Raychell:確かに全然違いますよね(笑)。

相羽:全然違います(笑)。

――『7th☆LIVE』では1日目の途中、相羽さんが「友希那……友希那……」と役に入っていく瞬間もありました。

愛美:友希那ちゃんを降ろす作業(笑)。

相羽:いや、でもRoseliaの場合、最後までキャラクターとしてライブをしようとしているので、そうなることは本意ではなかったんですよ……! 初めてPoppin'Partyのライブにサプライズ出演させていただいたときは3曲でしたけど、本格的にライブをやりはじめてから、途中でふと相羽あいなが出てくる瞬間があって。最初は「これは大きなミスだ」と思って反省しましたし、苦しかったりもしました。でも、むしろそれが「好評だったよ」という話を聞いて、「こういう形もあるのかな」と気づかされたんです。ただ、最近は相羽の割合が増えてきているので、次のライブは抑えめでいこうと思っています。

――そういうところも『BanG Dream!』のリアルライブならではですよね。キャラクターと演じているキャストの方とが、ひとつになっていく雰囲気があると言いますか。

愛美:そうですね。実際、私も香澄にすごく引っ張られているんですよ。最初は香澄としての私を観に来てくれる方のために、私自身も意識的に元気に振舞っていた部分があって。でも、最近はそれが自然なことになりました。香澄のおかげでみんなと喋れるし、香澄がいてくれるから明るくなることも増えて、それがいつの間にか私にとって自然な状態になってきて――。ポピパのみんなとの普段の会話も、最近は(香澄たちが通う)花女の女子高生のガールズトークのような雰囲気なので、「これは4年間一緒に歩んできたからこそだな」「これがポピパの良さだな」と感じます。それを自分自身噛みしめているし、キャラクターとリアルライブがリンクしたような気がしました。

Raychell:まさに『BanG Dream!』ですね。

愛美:そうですね。香澄がいてくれることで、愛美自身の可能性も広げてくれているのかな、と思います。自分が言わないようなことや、普段は言えないような素直な気持ちも、香澄のフィルターを通してなら言えるから、「すごく楽しいんだろうな」って。

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