THE KEBABS、キツネツキ、マテリアルクラブ、Cho_Nans…実力派バンドメンバーによる新活動

 2018年3月にスタートしたメンバー全員が長男のプロジェクト、Cho_Nansも面白い。中心メンバーはamkw(尼川元気/flumpool)、辻村有記(ex.HaKU)、ワカメヒロキ(タナカヒロキ/LEGO BIG MORL)、映像テクニカルディレクターのKNDO、作曲家・編曲家のイト卍ケン、マネージメント兼メンバーのKO_MANTARO。場合に応じて他のクリエイターも参加する。ミュージシャン以外のクリエイターも“メンバー”なのだと公表しているのが画期的な点だ。法田寺(神奈川県川崎市)内で撮影された無観客ライブ映像「Cho_Nans×Houden_Ji」には、彼らの提案する総合芸術としての音楽の在り方が収められている。デジタル要素をふんだんに盛り込んだEDMポップ的なバンドサウンドと、パトランプをはじめとした照明演出が醸すスリルが絶妙に掛け合わさっていて、スタイリッシュな仕上がりだ。MVやアートワーク、アーティスト写真など、アーティストのブランディングにおいて視覚的要素も重要なのだということはもはや自明である。そんな中、Cho_Nansの動きは今後注目を集めていくのではないだろうか。

「Cho_Nans × Houden_Ji」

 以上、4組をピックアップしてみて気づいたことが2つある。まず、THE KEBABS以外の3組は、ゲストを外部から招く形式を採っており、“固定のメンバー”という概念が薄いようだ(THE KEBABSに関しても1月9日のライブではゲストボーカルが登場したようだが)。キツネツキもマテリアルクラブもCho_Nansも、馴染みの深い仲間と長くバンドを続けてきた人が中心人物であるため、バンド外の場所では様々な人と関わり合いながら音楽を作ってみたいという意図があったのかもしれない。その際に、経年のバンド経験で得た交友関係が活かされ、その結果、相互作用・化学反応が多数発生しうる状況が生まれたのだろう。

 そして、この4組の中心人物は、例えばソロ活動・楽曲提供・別ユニットへの参加など、前述の4組とも母体バンドとも異なる活動を行っている人が多い。リスナー側からすると、多作家で、多面的な魅力を持つアーティストにアクセスできるハブが増えたようなイメージであり、これは非常に喜ばしいことだ。

 いずれにせよ、確かな腕と観察眼を持った人たちが、キャリアに甘んじることなく新しいトライに臨んでいる様子を目撃できることは、刺激的であり楽しい。引き続き、この4組の活動に注目していきたいところだ。

■蜂須賀ちなみ
1992年生まれ。横浜市出身。学生時代に「音楽と人」へ寄稿したことをきっかけに、フリーランスのライターとして活動を開始。「リアルサウンド」「ROCKIN’ON JAPAN」「Skream!」「SPICE」などで執筆中。

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