>  >  > WANIMAが打ち破る「タブー」とは?

高橋美穂の「ライブシーン狙い撃ち」 第3回

WANIMAの登場でパンクシーンは新たな次元へ タブーなき創作スタンスを読み解く

関連タグ
WANIMA
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 昨年10月、1stミニアルバム『Can Not Behaved!!』をリリースしてから、速度を上げて名前と音を広めているWANIMA。今夏は、JOIN ALIVE、ROCK IN JAPAN FES.、SUMMER SONIC、SWEET LOVE SHOWER、RUSH BALL……と、大きなフェスを行脚するという偉業を成し遂げている。私は、この状況が嬉しくて仕方がない。四つ打ちでも綺麗めでもない(ゴメンなさい)、泥臭いロックバンドである彼らが、大舞台を廻り、様々な趣向のオーディエンスにライブを披露することで、新たな価値観を強烈に提示出来る気がするからだ。しかも8月5日には、シングル『Think That…』もリリース。「終わりのはじまり」はデモの再録、「HOPE」はV.A『JUNK3』再録、そして、「いいから」と「TRACE」という2曲の新曲を収録と、これまでとこれからを封じ込めた絶好の内容。彼らが何故にずば抜けて成長しているのか!?を教えてくれる一枚なのである。

 とは言え、まだまだニューカマーな彼ら。順を追ってどんなバンドか説明していこう。WANIMAは、熊本出身の松本健太(Vo, B)、西田光真(G) という幼馴染の二人を中心に、2010年初夏に結成された。2012年の12月に、同じく熊本出身の藤原弘樹(Dr)が加入し、現在の編成となり、東京を中心に活動するようになる。そう、実はまだまだ歴史は浅いのだ。しかし、これまでリリースしたデモCDの3枚は、初めてライブを見た約3割ものキッズが購入していき、売り上げは4千枚を突破しているという。さらには、数々のメロディックパンクバンドの先輩との対バンの機会にも恵まれた。元々才能を持っていたことに加え、地道にコツコツ鍛えていった結果が、こういった状況を生み出しているのだろう。それを、何よりも現場に目を光らせているレーベル、PIZZA OF DEATHは見逃さなかった。決して短くはない歴史の中で、彼らとレーベルとして初めてのマネジメント契約を結んだのだ。そうして、環境を整えてリリースされた、記念すべき1stミニアルバム『Can Not Behaved!!』は、キッズだけではなく、元キッズや、大人たちをも「おお!」と言わしめた。リリースツアーは、全国33か所を廻ったうちの20公演がソールドアウト、ツアーファイナルのSHIBUYA O-WESTは即日完売。真っ直ぐな熱さだけではなく、砕けたユーモアも絶妙に挟み込み、エンターテイナーの可能性を感じさせるパフォーマンスを見せている。

 では、そんな多くの人を急激に惹き付けているWANIMAの魅力とは、何処にあるのだろう? 最早スタンダードとなったメロディックパンクシーンへ、刺激を与えるような存在感? もちろん、それも大いにある。少し前なら選ばれし者しか踏み込めなかったクラウドサーフやモッシュも、今はごく普通に楽しんでいる人がたくさんいる。それくらい、開かれたメロディックパンクシーンに対して、ここまで来たか!という感慨深さもあるけれど、正直、退屈に感じてしまう瞬間もある。では、メロディックパンクシーンを、新しい次元に持っていくには何が必要なのか? それが、WANIMAを見ているとよくわかるのだ。それは、いつの時代もパンクシーンの牽引者が行ってきた「タブーをなくすこと」。人懐っこい彼らだけれど、実は大きな変革を成し遂げているのである。

      

「WANIMAの登場でパンクシーンは新たな次元へ タブーなき創作スタンスを読み解く」のページです。>の最新ニュースで音楽シーンをもっと楽しく!「リアルサウンド」は、音楽とホンネで向き合う人たちのための、音楽・アーティスト情報、作品レビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版