“ヘビキャラ”が根強い人気を誇る理由とは? 『ONE PIECE』から『〈物語〉シリーズ』まで
旧約聖書におけるアダムとイブの話を引くまでもなく、“ヘビ”は古今東西の物語でさまざまな意味を与えられてきた。文明化が進んだ現代でもそうした傾向は変わっておらず、マンガやアニメにおいて特別なモチーフとされているところをしばしば見かける。
ついに、巳(へび)年となる2025年の幕開け……ということにちなんで、今回はそんなヘビをモチーフにしたキャラクターたちを取り上げてみたい。
『ONE PIECE』ボア・ハンコック
ヘビ関連のキャラクターと聞いて、おそらく多くの人が思い浮かべるのは『ONE PIECE』に登場する“海賊女帝”ボア・ハンコックではないだろうか。彼女は男子禁制の国「アマゾン・リリー」を治める皇帝で、国民からは“蛇姫様”という愛称で呼ばれており、サロメという名前の大蛇を連れ歩いていることも印象的だ。
そんな彼女が食べた「悪魔の実」は、魅了した者を石化させる「メロメロの実」。一見するとヘビとは関係なさそうだが、この能力はギリシャ神話に出てくる有名な怪物・メデューサにちなんでいるものと思われる。メデューサは髪がヘビとなっている女性で、その姿を見た者を石化させる力を持っていたからだ。
そしてメデューサには2人の姉が存在し、総称して「ゴルゴン三姉妹」と呼ばれるのだが、ハンコックも3人姉妹。ボア・サンダーソニア、ボア・マリーゴールドと合わせて「ゴルゴン三姉妹」と名乗っているため、ギリシャ神話を元ネタとしていることは明らかだろう。しかもサンダーソニアとマリーゴールドは、ヘビに変身する「ヘビヘビの実」の能力者でもある。
とはいえハンコック本人は意外と肉弾戦を得意としており、戦闘中に使う技もとくにヘビと関係ない名前のものがほとんど。今後、ヘビ要素がふたたび取り上げられることはああるのだろうか……。
『NARUTO -ナルト-』大蛇丸
また、同じく『週刊少年ジャンプ』作品では、『NARUTO -ナルト-』に登場する大蛇丸も忘れてはならないだろう。長い舌や縦長の瞳孔といった見た目だけでなく、身体を自由自在に伸縮させたり脱皮の要領で怪我から復活したりと、あらゆる点でヘビを連想させるキャラクターだった。
もちろん使用する忍術も例外ではなく、袖口から放出した無数のヘビで攻撃する「潜影蛇手」はもはやお馴染み。ほかにも口から大量の蛇を吐き出す「万蛇羅の陣」、契約した大蛇・マンダを召喚する「口寄せの術」、巨大な白いヤマタノオロチを呼び出す「八岐の術」など、オリジナリティあふれる技のオンパレードとなっている。
ちなみに大蛇丸は作中で何度も敗北を喫するが、最後まで物語から退場することはなく、しぶとく生き残っていた。ある意味、ヘビが象徴する“死と再生”を体現していたとも言えるかもしれない。