令和アニメで無双する大塚剛央 『薬屋』『メダリスト』『トリリオンゲーム』など大活躍

大塚剛央が令和アニメで“無双”

 アニメを観ていると、「あれ? 今期この名前をよく見るな」と思う声優に出会うことがある。冬クールに数々の作品に出演し、今まさに注目を集めているのが、大塚剛央だ。

 これまでも『【推しの子】』のアクア役や『ゆびさきと恋々』の芦沖桜志役などで、印象的な演技力を発揮してきた大塚。今期はなんと、放送中の4作品でそれぞれ異なるタイプのメインキャラクターを演じ分けており、その“主人公級ボイス”の真価が改めて浮き彫りになっている。

 まずは、原作で「甘い蜂蜜のような声」と表現されている『薬屋のひとりごと』の壬氏。色気と品をまとった声で、物語の空気に艶やかさを添えている。一方で、『メダリスト』では熱血でまっすぐなスケートコーチ・司を演じ、ひたむきさと情熱を真正面からぶつけるようなエネルギッシュな演技を見せている。

『メダリスト』©︎つるまいかだ・講談社/メダリスト製作委員会

 さらに、『トリリオンゲーム』の天王寺陽では、掴みどころがない軽やかさと、圧倒的なコミュニケーション能力を併せ持つ現代的カリスマを爽やかに体現。『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる。』の中村照秋では、個性豊かな女子キャラたちに戸惑いながらも鋭いツッコミで応じる高校生という、テンポ感のあるキャラクターを軽やかに演じており、いずれも大塚の声が自然と役にフィットしていることを実感させられる。

『トリリオンゲーム』©稲垣理一郎・池上遼一/小学館/アニメ「トリリオンゲーム」製作委員会©︎稲垣理一郎・池上遼一/小学館

 『百千さん家のあやかし王子』『ゆびさきと恋々』『ハイガクラ』など、女性に人気の高い作品でも着実に存在感を示してきた大塚。演じてきたキャラクターそのものには明確な共通点はないものの、それぞれが心の奥底に抱える誠実さを、大塚は丁寧にすくい上げている。その芝居には、ときに甘さやミステリアスさ、あるいは明るさといったキャラクターの個性が自然ににじみ出ていて、作品を見終わった後も心を揺らすような余韻を残してくれる。

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