『ヒプステシネマ』3面ライブスクリーンで再発見する魅力 劇場で蘇る唯一無二の映像体験

必見『ヒプステシネマ』3面ライブスクリーン

 2024年3月1日から3月17日に東京、4月4日から4月7日に大阪で上演された『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -New Encounter-が、9月より“Cinema Edit”としてスクリーンに登場。Cinema Editは、音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプマイ』の舞台化作品シリーズを映画館用にオリジナル編集したもので、第5弾となる今回は「3面ライブスクリーン」での限定上映となっている。ファンはもちろん、初見の方もその魅力を余すことなく堪能できる3面ライブスクリーン上映の見どころをお伝えしたい。

世界観への“没入度”を高めるサラウンドシステムの演出

【ヒプステ】-New Encounter-【Cinema Edit】3面ライブスクリーン映像

 『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage、通称『ヒプステ』は2019年にスタート。武力による戦争が根絶された世界で、男性たちが領土獲得のため、人の精神に干渉する特殊なマイク「ヒプノシスマイク」を使ってラップバトルを繰り広げるさまを描いてきた。特筆すべきは、その情報量の多さだ。キャストたちは舞台上でキャラクターを演じながら、ラップとダンスをこなす。ストレートプレイでもミュージカルでもない、オリジナリティに溢れた挑戦的な舞台コンテンツと言えるだろう。

 加えて、プロジェクションマッピングなどの映像技術を駆使した演出、ダンスチーム“D.D.B”による大迫力のブレイクダンスなど、観るべきポイントが非常に多く、舞台では目移りすることもしばしば。故にそれらの見逃したくない情報を同時に、効果的に伝えられる3面ライブスクリーンとは相性がいい。

 まず感動したのが、オープニングの演出だ。今回はキャストが一新されて初の公演であり、イケブクロ・ディビジョン“Buster Bros!!!”、ヨコハマ・ディビジョン“MAD TRIGGER CREW”、シブヤ・ディビジョン“Fling Posse”、シンジュク・ディビジョン“麻天狼”、オオサカ・ディビジョン“どついたれ本舗”、ナゴヤ・ディビジョン“Bad Ass Temple”の6つのディビジョンが集結。オープニングでは、総勢18名のキャラクターが一人ずつ登場し、ラップを披露していく。その姿を3面に映し出すとともに、両サイドのスクリーンでは上からリリックを重ねる演出がなされており、スピーカーから流れてくる音がより鮮烈に鼓膜を通り抜けていった。まさにリリックが武器に代わる世界観を強く印象付ける、3面ライブスクリーンならではの演出だ。

 また、このシアターには7.1chのサラウンドシステムが搭載されており、多方向からの音に包み込まれるため、作品世界への没入度が高い。低音をサポートするサブウーファーが男性ボーカルの再現度を上げてくれているのも、ヒプステファンにとっては嬉しいポイントだ。各々の個性が現れる声の張りや抑揚、息遣いまで克明に再現されており、舞台を鑑賞済みの方も新たな気づきを得られるだろう。

 オープニングが終わると、各ディビジョンの結成秘話を描いたストーリーが展開される。通常の舞台では確認できないほどの、新キャストによる細部まで行き届いた再現度の高い演技が大スクリーンに映し出されるため、初見の方も各キャラの個性を一挙に把握しやすいのではないだろうか。ディビジョンの垣根を超えた複雑な人間模様や関係値もギュッと凝縮された内容となっている。

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