BMSG、LDH、トライストーンも 令和に復活傾向、日本芸能史に欠かせない“運動会”

日本芸能史に欠かせない“運動会”

 11月26日に「BMSG presents THE GAME CENTER」と題したイベントが東京ドームで開催された。ライブではなく、BE:FIRSTやMAZZELが所属する音楽プロダクション・BMSGによるスポーツイベントだ。ひらたく言えば「運動会」である。イベント開催の動機について、CEOのSKY-HIは「BMSG大運動会をしたい!とは起業当初から思っていた」と語っている。

SKY-HI企画、BMSGオールキャストによる初のスポーツイベント『THE GAME CENTER』を東京ドームで開催

 BMSGオールキャストによる史上初のスポーツイベント『BMSG presents THE GAME CENTER』が、11…

 近年、芸能事務所が運動会を開催することが増えてきている。体育館やアリーナなどの会場に大勢のファンを集めて、事務所所属のタレントやアーティストたちが各種のスポーツ競技を行う。このようなスタイルの運動会が多くなっているのだ。

 体育会系のイメージが強いLDHは、2023年11月に「LDH秋の大運動会!」を開催、GENERATIONS、THE RAMPAGEなど総勢43名が参加した。今年8月には「LDH CLUB CHAMPIONSHIP ~PLAY 4 VICTORY~」が開催され、総勢96名が「10種障害物リレー」「借り物競争」「LDH組体操」などを行ってファンを湧かせた。

 ほかにもスターダストプロモーション、アミューズ、キューブ、YouTuberが多く所属するUUUMでも運動会が企画されてきた。韓国ではK-POPのスターたちが参加する大規模な運動会「アイドルスター選手権大会」が「アユクデ」の通称で人気を博している。

 そして2025年3月には、小栗旬が社長を務めるトライストーン・エンタテイメントが初めてのファン感謝イベント「Tristone Fan Fes 2025 〜UNDOKAI〜」をさいたまスーパーアリーナで開催する。チームのキャプテンを小栗旬、田中圭、綾野剛、清塚信也が務めるほか、坂口健太郎、間宮祥太朗、赤楚衛二ら人気俳優の出場が発表されて話題になった。

 
 
 
 
 
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 運動会が有名なのは、なんといっても旧ジャニーズ事務所だろう。1994年に木村拓哉率いるチームと中居正広率いるチームが野球で対決するイベントを東京ドームで行ってから、継続的にスポーツイベントを開催していた。最後に開催された2017年のイベントタイトルは「ジャニーズ大運動会2017」である。このときは総勢129名の所属タレントが出場した。

運動会に彩られた日本芸能史

 もともと日本の芸能界は運動会と親和性が高い。運動会が大好きだと言える。1967年にスタートした日本初のスペシャル枠『テレビグランドスペシャル』(フジテレビ系)の第1回を飾ったのは、「オールスター紅白大運動会」だった。アイドル、歌手、俳優、芸人が総登場する芸能人運動会は人気番組となり、1980年代半ばまで20回以上も放送された。聖火リレーなど、1964年に開催された東京五輪を意識した演出も行われた。

 TBS系ではレコード会社別に対抗戦を行う『新春オールスター大運動会』が毎年恒例の人気番組となった。しかし、徐々に芸能人運動会は下火になっていく。日本テレビ系でも1984年に『全日本オールスター選抜大運動会』が放送されたが、こちらは短命に終わった。1980年代半ばを過ぎ、時代がバブル期に近づいていくと、運動会は「オシャレじゃない」と思われるようになったからだ。団塊ジュニア世代がティーンエイジャーになって運動会に興味をなくしたこと、旧来の芸能事務所の力が衰えていったことも関係あるだろう。

 昭和の時代、運動会は学校だけでなく、町内や会社でも盛んに行われていたが、やはり80年代半ばを過ぎてからは減少の一途を辿っていく。個人主義が進み、集団での行事を敬遠するようになったことが大きな原因だ。運動会が下火になる中、芸能事務所主体で運動会を復興させたのが、少年野球チームを発祥とする旧ジャニーズ事務所だった。

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