『ブギウギ』本上まなみが“はな湯”存続の鍵を握る? 子どもからも愛される優しい声色

『ブギウギ』本上まなみがはな湯存続の鍵に?

「この世はな、義理と人情で出来てんねん」

 スズ子(趣里)にそう教えてくれた母・ツヤ(水川あさみ)が天国へと旅立った『ブギウギ』(NHK総合)第39話。どんな時でも「はな湯」の番台に立ち、みんなを迎えるツヤのニカッとした笑顔が忘れられない。心にぽっかり穴が空いたような気分だが、最後にアホのおっちゃん(岡部たかし)が持ってきてくれた桃のおかげでいつもと変わらぬ笑顔が見られて良かった。

 以前も、熱を出して苦しむ少女期のスズ子(澤井梨丘)のために、ゴンベエ(宇野祥平)が季節外れの桃を探してきてくれたことがある。本作において、ツヤの言う「義理と人情」の象徴となっている桃。いつも入浴料を払わないアホのおっちゃんのことも、記憶喪失でどこの誰だか分からないゴンベエのことも、ツヤと梅吉(柳葉敏郎)は彼らの事情に踏み込むことなく静かに受け入れてきた。桃はその恩返しであり、はな湯は自己責任論とは無縁の助け合い精神で満ちている。

 はな湯にいる間はみんな自由気ままに過ごしているので想像もつかないが、外の世界では苦悩もあるのだろう。人よりマイペースな六郎(黒崎煌代)がみんなに馬鹿にされるからという理由で学校に行かなかったように、それぞれが何かしら社会の中で生きづらい要素を持っている。川に飛び込んだところを梅吉に助けられたとされているゴンベエだって、かつては身投げするほど追い詰められた状況にあったということだ。

 第40話では、そんなゴンベエの正体を知る人物として三沢光子(本上まなみ)が登場する。『ちむどんどん』において視聴者の間で囁かれたまもるちゃん(松原正隆)の沖縄の精霊・キジムナー説や、『おかえりモネ』でヒロイン・百音(清原果耶)の下宿先となった銭湯「汐見湯」の住人・宇田川さんの正体と同じように、謎のまま終わるかと思われたゴンベエの過去が明らかになりそうだ。

 光子を演じる本上は、2015年度前期放送の『まれ』(NHK総合)以来、約8年ぶり2度目の朝ドラ出演となる。『まれ』では、ヒロインの希(土屋太鳳)が開業したケーキ屋「プチ・ソルシエール」にふらりと立ち寄る妊婦の観光客を演じた本上。その日はちょうどまれが産休に入る前最後の営業日で、2人は出産後も仕事を続けることについて語り合った。本上自身も2012〜2013年にかけて第一子、第二子を出産しており、以降子育てと仕事を両立してきた経験が台詞にも表れていたように思う。

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