『パイレーツ・オブ・カリビアン』根強い人気の理由は? 成功が危ぶまれていた第1作

『パイレーツ・オブ・カリビアン』なぜ人気?

 「ヨーホーヨーホー」と軽快な音楽に思わず踊りたくなってしまう、海賊たちの歌から始まる『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ。今や海賊映画の代表的な作品となっており、最新作から6年以上経った今、1月20日から『金曜ロードショー』で3週連続放送される。視聴者リクエストによって放送が決まった背景からも、本シリーズの1作目が生まれた20年前から、根強い人気を保っていることが伺える。

 主人公のジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)は、カリブ海を漂う陽気な海賊。『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』は、バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)などの仲間たちに無人島に置き去りにされた彼が、やっとたどり着いた島で溺れていたエリザベス(キーラ・ナイトレイ)を救うところから物語は始まる。エリザベスが持っていた怪しいペンダントがきっかけで、ジャックを置き去りにした海賊たちが暴れまわり、エリザベスを連れ去る。ジャックはエリザベスに思いを寄せるウィルと一緒に、海賊たちに仕返しをするため、エリザベスを追いかける。

 この物語の時代設定は、カリブ海で奴隷貿易が盛んにおこなわれていた17世紀から18世紀と予想される。ジャックが「東インド会社とやり合った」と言っていたことからも、全盛期が舞台ととらえられる。この時代、イギリスは主に西インド諸島で奴隷貿易を行っていて、総督であったエリザベスの父は、エリザベスとともに現ジャマイカのポートロイヤルにやってきていたのだ。

 物語の冒頭、「女を船に乗せるのは災いのもとだ」とギブス(ケヴィン・マクナリー)がつぶやいている。エリザベスへの嫌味のようにも聞こえるが、実際に船乗りたちの間では有名な話。海の神は女性のため、船内に女性がいると嫉妬して災いをもたらすという言い伝えがある。あくまで一つの言い伝えであるが、特にこの時代はまだこういった迷信を信じる人も多かったと言える。

 そんな海の男、海賊たちが乗っているブラックパール号は、カリブ海一早い船とも言われている。ボロボロの帆で、怪しい雰囲気を纏っている印象だが、呪いにかかっている海賊たちがバルボッサのもと、一生懸命掃除をしており船としてはしっかり機能しているようだ。実際に、このブラックパール号を真似た船がドバイにあるという。乗ることができるなら、ファンにとっては夢のような体験だろう。

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