『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』インタビュー
福士蒼汰が語る、『Heaven?~ご苦楽レストラン~』の楽しみ方 「“成長しない”のがポイント」
『動物のお医者さん』『おたんこナース』で知られる人気漫画家、佐々木倫子の原作を実写化したコメディドラマ『Heaven?~ご苦楽レストラン~』(TBS系)。自分の欲求を叶えるためにフレンチレストラン「ロワン・ディシー<この世の果て>」をオープンさせた風変わりなオーナー、黒須仮名子を石原さとみが演じ、仮名子のもとに集まった個性的な従業員たちに、福士蒼汰、志尊淳、勝村政信、段田安則、岸部一徳らを配した本作。
笑顔が苦手なシェフドラン(上級ウェイター)・伊賀観役の福士に、「実は普段以上に表情筋を駆使している」という伊賀についてや現場の雰囲気、CGを駆使しているという裏話など作品のことはもとより、20代後半に入り、挑戦していきたいことなどを聞いた。
「普段以上に表情筋を駆使しています」
――伊賀のどんなところにこだわって演じていますか?
福士蒼汰(以下、福士):伊賀は無表情な男なんです。でもすべてを無表情でやっていると、見ている方に気持ちが伝わらなくなってしまう。そのバランスに気を配っています。「ちょっとだけ明るく、ちょっとだけ嬉しそうに。でも無表情に」といったことを要求されるので(苦笑)、実は普段以上に表情筋を駆使しています。
――福士さん自身が、伊賀に共感できる部分はありますか?
福士:周りがよくなるなら、自分がちょっと我慢すればいい、といった考え方は、自分にもそういった時期があったなと思います。
――周りが頼りないので、伊賀が自分でなんとかしようとしますよね。初期の設定では融通が利かないキャラクターという紹介もありましたが、台本を読ませていただき、表情に動きはあまりなくても、実は柔軟なキャラクターだという印象を持ちました。
福士:自分も伊賀は融通が利く人だと思います。基本、この物語の登場人物たちは変わりません。言い方は悪いですが、“成長しない”のがポイントになっています。ただ、伊賀としては1話と、あと中盤からも少しずつ成長するところがあります。伊賀の感情は、「オーナーは」「川合くんは」といった主語が多いのですが、「僕は」「僕が」と心のスイッチを押す瞬間があって、もともと柔軟なところに加えて、成長を感じるときがあります。
「頼られることってあまりない」
――「伊賀くん」「伊賀くん」と皆から頼られています。福士さん自身は、頼られるタイプですか?
福士:自分は頼られることってあまりないですね。どちらかというと頼るほうです。
――そうなんですね。少し意外な気がします。それは現場でも?
福士:現場では違います。というか、変わりました。昔は現場でも実際に分からないことばかりだから、頼るしかなかったのですが、主演をやらせていただくようになってからは、率先して自分がやらなければという意識になりました。
――普段は笑わない伊賀ですが、本作の登場人物は“諦観の笑み”という独特なほほ笑みをしますよね。
福士:最初に台本を読んだときには、“諦観の笑み”って何だろうと思いました。みんなで練習するのかなとも思ったのですが、相談すらすることもなく、それぞれの諦観の笑みで進んでいます。画面に“諦観”と文字が出たりと、漫画チックな表現もあるので、みなさんに“諦観の笑み”が伝わったらいいなと思います。
――心の声が登場するのも気になります。
福士:心の声を話すところはグリーンバックで撮影しています。何も喋っていない実際の伊賀の上に、グリーンバックで撮影した伊賀が登場して心の声を話す。物語的にはCGを使うような作品ではないのに、結構CGを駆使しているギャップが面白いです。