『ボイス』真木よう子が示す、今ある「声」を掬う意志 黒幕は警察内部にも関係が?
いよいよ凶悪犯に姿が見つかってしまい、もうだめかと思われたところで終わりを迎えた先週の初回放送。そのつづきから始まった『ボイス 110緊急指令室』(日本テレビ系)第2話では、間一髪のところで樋口(唐沢寿明)が止めに入り、犯人確保、被害者女性の救出に成功し、最悪の結末は免れた。
被害者からの通報を受けて10分。そのタイムリミットのなかで万事解決をめざすECU(Emergency Call Unit)は、10分を超えてしまう不恰好なスタートながら、3か月という期限付きでの設置を許可される。そこで室長のひかり(真木よう子)が求めたのは、現場リーダーとして樋口をECUに迎えたいという望みだった。なぜそこまで樋口にこだわるのか。なぜ、監禁場所を突き止めることができたのか。3年前の事件での因縁もあってひかりを信用することができない樋口は、その誘いを断ってしまう。「人よりも聴力が優れている」というひかりの言葉も現実味がなく、信じることができない。
それでも屈しないひかりはついに、樋口を強制的にECUへと異動。もちろん納得がいかない樋口だったが、普通であれば呼びかけても聞こえるはずがない、遠くにいるひかりへ向かって名前を呼ぶと、振り返ってこちらを見てくるではないか。いよいよその特異な性質に肌で触れた樋口は、ひかりに真実を問い詰め、ひかりは3年前の事件の真相を語り出す。
樋口の妻・未希(菊池桃子)からの通報を受けたこと、一旦電話が切られたあとに(上司が)コールバックしてしまったことが原因で犯人に居場所が見つかってしまったこと、そこで聞いた犯人の声と実際に捕らえられた被疑者・相良の声とが明らかに異なっていたこと。さらには、現場を巡回していた警官であるひかりの父親も、犯人を追って無残にも殺されてしまったという悲劇のことも。「私とあなたは同じなんです」。ひかりの言うそれは、同じ犯人に、「大事な人の声」がこの世界から消されてしまったことを指しているのだろう。