ミステリアスな事件を背景にした父と娘の物語 ジャンニ・アメリオ監督作『ナポリの隣人』公開決定
イタリア映画祭2018で『世情』として上映されたジャンニ・アメリオ監督最新作『La Tenerezza』が、『ナポリの隣人』の邦題で2019年2月9日より公開されることが決定。あわせて、本予告編とポスタービジュアルが公開された。
養護施設へ向かう幼い姉弟の旅を描き、カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ、ヨーロッパ映画賞最優秀作品賞を受賞した『小さな旅人』や、障害を持つ実の息子と15年ぶりに対峙する父親を描き、ヴェネチア国際映画祭で3つの賞を受賞した『家の鍵』、アルベール・カミュ未完の自伝的遺作を映画化した『最初の人間』など、人と人との繋がりを描いてきたアメリオ監督。そんな彼が最新作で描いたのは、ミステリアスな事件を背景にした、父と娘の相剋の物語。
舞台は南イタリアのナポリ。かつて家族と暮らしたアパートに独り暮らす元弁護士のロレンツォ。娘のエレナは、アラビア語の法廷通訳で生計を立てるシングルマザーだ。母の死の原因が父の裏切りによるものと信じ、父を許せないでいた。気難しいところのあるロレンツォだが、向いの家に引っ越してきた若い夫婦ファビオとミケーラ、2人の子供たちと親しくなり、お互いの家を行き来し合う疑似家族のような関係になる。しかしその平穏な日々は、幸せに見えた一家に起こった思いがけない事件で、突然幕を閉じることになる。
主演のレナート・カルペンティエーリは、本作でダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞(イタリア・アカデミー賞)、イタリア・ゴールデングローブ賞、ナストロ・ダルジェント賞というイタリアの国内主要映画賞で主演男優賞三冠を達成。『愛の勝利をムッソリーニを愛した女』のジョヴァンナ・メッゾジョルノ、『歓びのトスカーナ』のミカエラ・ラマッツォッティいう、現代イタリア映画界を代表する2人の女優も、各映画賞にノミネートされる名演を見せ、『三人姉妹』のグレタ・スカッキも陰影に富んだ印象深い役どころで出演している。イタリアを代表するベストセラー作家ロレンツォ・マローネの『La tentazione di essere felci』(幸せであることの誘惑)が原作で、撮影は『グレート・ビューティー/追憶のローマ』のルカ・ ビガッツィが担当した。
公開されたビジュアルは、複雑な表情を浮かべるロレンツォが写し出された場面写真を中心に、「血の繋がりだけで、心は繋げない。」というキャッチコピーが添えられている。
また予告編では、娘エレナとわかりあえないでいるロレンツォが、隣人の家族と仲良くなり、共に過ごす穏やかな時間から一転、隣家にある事件が起き、ロレンツォと実の子供たちとの関係にも影響を及ぼしていく様子が映し出されている。
■公開情報
『ナポリの隣人』
2019年2月9日(土)より、岩波ホールほか全国順次ロードショー
監督・原案・脚本:ジャンニ・アメリオ
原作:ロレンツォ・マローネ『La tentazione de essere felci』
原案:アルベルト・タラッリョ、キアラ・ヴァレリオ
脚本:アルベルト・タラッリョ
撮影:ルガ・ビ ガッツィ
出演:レナート・カルペンティエーリ、ジョヴァンナ・メッゾジョルノ、エリオ・ジェルマーノ、グレタ・スカッキ、ミカエラ・ラマッツォッティ
提供:ザジフィルムズ、朝日新聞社
配給:ザジフィルムズ
原題:La Tenerezza(イタリア映画祭2018上映題『世情』/2017年/イタリア/イタリア語/108分/シネマスコープ/Dolby digital
(c)2016 Pepito Produzioni
公式サイト:www.zaziefilms.com/napoli/