キム・セロンとのあまりに辛い別れ 『アジョシ』『冬の小鳥』『私の少女』などに刻まれた名演

“子役”から“表現者”へと歩みを進めてきた多くの俳優たちがいる。その中でも、キム・セロンは特に大きな実績を残した人物だと言えるのではないだろうか。彼女は2月16日、自宅で亡くなったまま発見されたと報じられた。
幼い頃からモデルとして活動してきたキム・セロンは、2009年の映画『冬の小鳥』で孤児として葛藤する少女を演じ、韓国俳優史上最年少でカンヌ国際映画祭のレッドカーペットを歩いた。さらに、継父から虐待を受ける少女を演じた2014年の映画『私の少女』でも再びカンヌを訪れ、第35回青龍映画賞の新人女優賞を受賞。2000年生まれでありながら、既に輝かしい経歴をいくつも持っていた。
また、2010年公開の映画『アジョシ』も彼女の経歴を代表する作品の一つだ。同作でキム・セロンが演じたのは、ウォンビン演じる“アジョシ(おじさん)”テシクと心を通わせる少女ソミ。2人は貧しい生活のなか助け合いながら生きていたが、ある日麻薬を盗んだ母親と一緒にソミが犯罪組織に拉致されてしまい、それを知ったテシクがソミを救うために立ち上がる。
テシクの前では複雑な家庭で生活する苦労を見せず、無邪気で子供らしい姿のみを見せるソミの姿は忘れられない。子供であるのに大人な表情も滲ませる、その悲壮感漂う演技は多くの人を魅了し、彼女は大韓民国映画大賞の新人女優賞を受賞するに至った。
そんな多くの注目を浴び、順風満帆にも見えた演技人生だったが、2022年の飲酒運転事故以降は芸能活動を休止。韓国の毎日経済新聞などによると、昨年11月に映画『ギターマン(原題)』の撮影を終え、俳優としての本格的な復帰を準備していたという。
2月17日より行われている弔問には、『アジョシ』で共演したウォンビンや、親交のあったハン・ソヒらが参列した。死因は明らかになっていないが、彼女の死を多くの俳優たちが惜しんでいるのは確かだ。一視聴者としても、彼女が映画・ドラマに残した姿を忘れず、しっかり胸に刻んでおきたい。
参照
・https://www.yna.co.kr/view/AKR20250216052300005?section=entertainment/movies
・https://www.yna.co.kr/view/AKR20250217042051005?section=culture/all&site=major_news01