『下町ロケット』人気を支える“理系女子” 土屋太鳳と朝倉あきのポジションを読む

 もう一人、第6話以降の「ガウディ計画」から佃製作所の開発部の技術者として登場したのが、朝倉あきだ。2006年の東宝シンデレラオーディションでファイナリストに選ばれた彼女もまた、NHK朝の連続テレビ小説でブレイクした一人なのである。2010年に放送された『てっぱん』で、主人公・瀧本美織の親友役でブレイクした彼女は、2013年に大ヒットしたスタジオジブリのアニメ『かぐや姫の物語』の主人公の声を務め、さらに知名度を上げた。その後しばらく芸能活動を休止していたのだが、今年に入ってから復帰し、今期のドラマではテレビ朝日系の『遺産争族』に続いて2本目の出演となる。

 朝倉が演じている加納アキという技術者は、ガウディ計画の要となる人工弁の製造に携わるプロジェクトチームの一員であり、作業着姿で日夜研究を重ねるだけでなく、医療器具審査会へ社長らと共に出向いたり、医療施設で人工弁の完成を心待ちにする子供たちと向き合ったりと、重要なキャラクターとして登場するのである。このポジションに女性キャラクターを配したということは、少なからず、この作品を観る女性視聴者への感情移入の落とし所としての狙いもあるだろう。これまでロケット編から登場していた真矢みきや土屋太鳳とはまたひとつ違ったタイプの理系女子として、ガウディ編に華を添えているのだ。

 男性社会として描かれがちである理系分野での女性の活躍を、さりげなく描いてくるあたりは、福澤チームのドラマづくりの上手さを感じずにはいられない。残り2話で終了してしまうが、クライマックスでこのふたりの理系女子がどういう未来を描くのか、大いに期待したい。また、第9話には元フジテレビのアナウンサーである高島彩が医療ジャーナリスト役で出演するなど、まだまだ興味惹かれる展開が続く。ガウディ計画の成功とロケットエンジンの開発という野望に燃える町工場の逆襲劇は、日曜夜の憂鬱感を吹き飛ばす爽快感と感動を提供してくれているのである。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

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