米名門大学が求める“18歳の人物像”とは? 冷泉彰彦『世界の一流は「子ども」に何を教えているのか』刊行

米名門大学が求める“18歳の人物像”とは?

 クロスメディア・パブリッシングより、作家・ジャーナリストの冷泉彰彦による新刊『世界の一流は「子ども」に何を教えているのか』が、6月2日に刊行された。

 本書は、累計30万部を突破したベストセラーシリーズの最新刊。アメリカの名門大学が求める「18歳の人物像」を出発点に、幼稚園から高校までの各年代で世界の親や学校が実践している教育法を紹介する一冊である。AI革命とグローバリズムが同時進行する時代に、子どもをどう育て、成長に合わせてどのようなメッセージを伝えるべきかを考える内容となっている。

 著者が一貫して示すのは、「18歳で自立する」という世界標準の発想だ。アメリカをはじめ多くの国では、大学進学は学歴を得るためのものではなく、親元を離れて自分で学び、自分で判断する「自分の人生を引き受けるスタート地点」とみなされている。そこで重視されるのは、学力だけでなく、自己管理能力、議論する力、プレゼンテーション力、スポーツやアートへの関わり、困難を乗り越える力といった、さまざまな面での成熟である。

 たとえばハーバード大学は、家庭の事情で住む家がない優秀な“ホームレス高校生”であるドーン・ロギンス(2012年)やリズ・マレー(2000年)を合格させてきた。これは彼女たちが「入学してからますます頑張り、周囲にいい影響を与え、将来の成功によって大学の評価を高めてくれそうな人物」という大学の期待する学生像に合致するからだという。貧困を通じて成熟を勝ち取った「経験」も評価するのがアメリカのトップ校であり、「体験格差」が語られる日本とは視点が大きく違うと著者は指摘する。

 本書ではこのほか、幼稚園のころから人前で話す訓練「ショウ・アンド・テル」を行う米国の教育、家事分担を通じた生活力の育成、お小遣いを通じた予算管理の指導、リーダーシップや協調性を養う場としてのスポーツ・アート活動など、具体的な体験の重視について紹介している。思春期教育については、「あえて失敗を経験させること」「年齢の枠に閉じ込めず早熟な成長を支えること」「見守り続けること」の重要性を説く。

 あわせて、父と娘が良好な関係を築く「ダディズ・ガール(お父さんっ娘)」が日本より多い背景や、スマートフォンやSNSとの向き合い方、家族旅行や学校行事の意味、メンタルヘルスへの配慮など、現代の親が直面するテーマについても触れられている。

 著者の冷泉彰彦は1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て1993年に渡米し、ニュージャージー州プリンストンに33年間在住。プリンストン日本語学校高等部ディレクターを務める。著書に『アメリカの警察』(ワニブックス新書)、『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)、『「関係の空気」「場の空気」』(講談社現代新書)などがある。

■書誌情報
『世界の一流は「子ども」に何を教えているのか』
著者:冷泉彰彦
価格:1,815円(税込)
発売日:6月2日
出版社:クロスメディア・パブリッシング

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