【漫画】彼といい感じになった途端に親バレ? ほろ苦い初恋のその後を描く『サマー・ボーイ・ブルー』

過去のショッキングなできごとから記憶と気持ちに蓋をして、平穏な日々を過ごす青年。しかし、初恋相手と再会を果たしたことで、平穏だった日常が変化の兆しをみせ……。
自身の性的指向に揺れる少年を描くBL漫画『サマー・ボーイ・ブルー』の第1話が、Xにアップされた。今回は本作の作者である遠野みやこ(@miyako_tohno)氏に、創作の経緯やキャラクターについて話を聞く。(青木圭介)
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ーー性的マイノリティであることへの葛藤や衝動をリアルに描く内容が印象的でした。本作を創作した経緯を教えてください。
遠野みやこ:あくまで個人的な見解ですが、ここ10年間で世間及び一般大衆からの性的マイノリティへの眼差しはかなり変化したように感じることがあります。でも、価値観の捉え方とか受け入れるスピードとか、やっぱりどうしても全員が同じようにいくものでもなくて。同性を愛する人もいるんだなと思っていたら、自分の子供が性的マイノリティに該当するのだと分かって他人事ではなくなってしまい、どう接するべきか難しい部分を感じつつそれでも自分なりに正解を探そうと葛藤している親御さんとかもいらっしゃると思うんです。
でも、どうしても当の子どもにとっては、正解とは異なる接し方となってしまうこともある。親子であろうと血の繋がり以外は独立した他人であり、それぞれの思考やこれまでの環境、生き方があるので、合致しない部分が出てくるのは当然です。2人の男の子の恋を主軸にしつつ、本人や周囲の赤裸々な葛藤などはしっかり描写していきたいと思い、描き始めたのが本作でした。
ーーBLという枠組みのなかで、現実的な悩みなども考えながらリアルに描かれたんですね。
遠野みやこ:私自身一つのジャンルとしてBLやGLを描くのが好きで今後も色々なことを表現したいと思っているんですけど、どんな言葉を並べ立てようとも他者を消費していることに変わりはないと感じています。そのうえで本当に私が個人的に勝手に思っているだけではありますが、消費するなら消費するで”生きている人間”を描こうと足掻くことが、私が示せる精一杯の自身の生き方ではないかと考えています。
ーー本作のなかで、特にこだわった描写は?
遠野みやこ:主人公のミチルは相手の親に行為寸前の姿を見られるという思春期の子にとってこれ以上ないキツい経験をするんですけど、それでも時間は勝手に流れてしまう。それを表現することにはこだわりました。人生が終わってしまうんじゃないかと思えるような、本当にショッキングなことが起こっても、日常は続いていきます。大きなショックを受けドン底の夜に沈んでも太陽は無慈悲に昇る。傷が癒えていなくても死ぬまで塞ぎ込んでいるわけにもいかず、でも学校には行けず、せめて家計の助けになるようバイトに行ってミチルはお金を稼ぐ。それは明確な言葉にしなくても表現したかったです。
ーー違った魅力があり相性の良さを感じるミチルと潤のキャラクターはどのように考えましたか?
遠野みやこ:最初の段階で、主人公は繊細でおとなしい子にしようと決めていました。ただそんな子に冒頭のようなショッキングなことが起こったらもう本当に心がズタズタになり立ち直れなくなってしまうと思ったので、その分彼が好きな相手の子はカラッとした優しい性格にしようと思いました。でもただ明るくてカラッとした性格なだけではなく、親との関係とか学校での振る舞いとか少し影の要素も必要かなと。性格は真逆なんですけど、共感し合えて惹かれる部分としてお互いに影を入れて、できたのが2人です。
ーー遠野みやこ氏が漫画を描き始めたきっかけを教えてください。
遠野みやこ:小さい頃から絵を描くのは好きで、絵を描いているうちに「このキャラクターは何を考えているんだろう」「このキャラクターを動かしたいな」と思ったのが、漫画を描き始めたきっかけです。元々は絵や漫画は趣味の1つで、漫画家になる気も自信もなくなぜか出家を考えていた時期もありました。しかしいつの間にか、「どうせなら好きなことをやるだけやってみたい」「生まれてきたからには何かを残したい」という私利私欲の気持ちが芽生えてしまい、これは寺を追い出されるぞと……。たまたまそのタイミングで担当さんに声をかけていただき、漫画家になることを決めました。
ーー最後に、漫画家としての今後の展望を教えてください。
遠野みやこ:最近、「ハルタ」で『ひそやか女飯』という作品の連載が始まったんです。戦後の高度経済成長期辺りの時代を生きる奥さんの話で、2人の女性の友情とご飯のお話を絡めたストーリーになっています。今後は青春作品やもっと古い時代の作品を描いてみたいという希望はあるのですが、今はとにかく連載作をより良い漫画にするために頑張りたいです!























