有吉佐和子『海暗』復刊 米軍射爆場計画に揺れる島の運命

有吉佐和子の『海暗』(河出書房新社)が4月7日(火)に発売される。
伊豆七島の御蔵島が米軍射爆場に内定した――それは、平和でのどかな島に住む島民たちに突然知らされた驚くべき通知だった。やがて射爆場建設計画により島民の心が分裂する。思いもよらぬ大事件に翻弄される島民の苦悩と哀歓。島の伝統と若者の離島問題に揺れる島民たちの生きる姿を、島への深い愛情を持つ長老・オオヨン婆を中心に描く傑作長編。
『青い壺』(文春文庫)、『非色』、『女二人のニューギニア』(河出文庫)など、近年の復刊が続々とヒットしている有吉佐和子。本作『海暗』は、伊豆の御蔵島に突如持ち上がった米軍射爆場計画に、翻弄される島民たちの現実を描いた長編小説。島民たちの逞しく生き抜く姿も魅力的で、人々の人間ドラマが時にユーモラスに描かれた、根強い人気のある作品となっている。共同体の絆と分断、伝統と変化のあいだで揺れる人々の姿は、現代の私たちへ切実なリアリティをもって迫る。
これはほんとうに六十年近くも前に書かれた小説なのだろうか。この小さな島の混乱、人びとの困惑は、いまわたしたちが感じているものと同じではないか。そして、これこそが、有吉佐和子の文学の本質なのだ(高橋源一郎「解説」より)
著者情報
有吉佐和子
昭和6年、和歌山市生まれ。東京女子短期大学英文科卒。昭和31年『地唄』で芥川賞候補となり、文壇デビュー。以降、『紀ノ川』『華岡青洲の妻』『恍惚の人』『複合汚染』など話題作を発表し続けた。昭和59年没。
■書誌情報
『海暗』
著者:有吉佐和子
価格:1,210円(税込)
発売日:2026年4月7日
出版社:河出文庫
■既刊情報
『非色』
著者:有吉佐和子
価格:990円(税込)
発売日:2020年11月6日
出版社:河出文庫
『女二人のニューギニア』
著者:有吉佐和子
価格:990円(税込)
発売日:2023年1月10日
出版社:河出文庫

























