島本理生の最新長編小説『ノスタルジア』 加害と被害の狭間で揺れる恋愛小説

島本理生の最新長編小説『ノスタルジア』

 島本理生の長編小説『ノスタルジア』(河出書房新社)が4月23日(木)に発売される。

 小説家の紗文(さあや)は、知人の紹介で、東京に出てきたばかりの「創(そう)」という若者と知り合った。殺人事件の加害者を母に持つ創は、住む場所も職場も失っており、紗文が一時的に家に泊めることに。当初は順調に見えた共同生活だったが、紗文の周りで常識を超えた不可思議な現象が起こり始める。創は「たぶん、俺のせいだと思う」と話し、今まで誰にも話したことのない、実家の信仰や母の力について語った。一方で、紗文は自分の家族や最愛の人の死、自身の心の空白について、創になら話ができることに気がつく。二人は、お互いが持つ影に惹かれ始めていた――。

 最新長編小説『ノスタルジア』では、喪失や罪、言葉にできない空白を抱えた男女が出会い、互いの過去と痛みに触れながら、惹かれあっていく。距離をとろうとしても、相手を求めてしまう切実な感情の描写は、世代をこえた読者の記憶を揺さぶるだろう。

 島本理生は刊行へ寄せて「私がコロナ禍以降に書いた小説の中で、おそらくは最も重要な作品になりました。この小説でぜひ彼らと世界の果てまで旅してください。」とコメントしている。

各界からのコメント
苛烈だった。救いたいし、救われたかった。どうしたらいいんだろう、とずっと考えていた。――高瀬隼子(作家)

痛みの中で立ち上る一瞬の“楽園”。壊れてしまうほどに刺す、逃れられない光だ。――Derek Jarmanを思い出した。――三島有紀子(映画監督)

先の見えない時代を生き抜くいくつもの姿が読む者を惹きつける。加害と被害とに二分できない世界は文学でしか描けない。静かなようで不思議な熱量を感じさせる一冊だ。――信田さよ子(臨床心理士)

あの時、もしあんなことが起こらなければ……恋愛を通じ「if」の想像力を描き続けてきた島本作品の決定版。――吉田大助(ライター)

著者情報
島本理生(しまもと・りお)
1983年東京都生まれ。2001年「シルエット」で群像新人文学賞優秀作を受賞し、デビュー。03年『リトル・バイ・リトル』で野間文芸新人賞、15年『Red』で島清恋愛文学賞、18年『ファーストラヴ』で直木賞をそれぞれ受賞。近著に『天使は見えないから、描かない』、『一撃のお姫さま』など。

■書誌情報
『ノスタルジア』
著者:島本理生
価格:1,870円(税込)
発売日:2026年4月23日
出版社:河出書房新社

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