水沢なお最新小説『こんこん』刊行へ きつねの着ぐるみに恋した女性の物語

水沢なおの最新小説『こんこん』(河出書房新社)が3月27日(金)に発売される。
こんなふうに、安心して、でも溶け合ってしまうような、抱き合っていられる存在を、ずっと探している。そこにいるのに、姿もかたちも知らない、水が時間をかけてかたちづくられたような、そのたったひとりを、ずっと探している。(「こんこん」より)
著者・水沢なおは、これまで現代詩手帖賞、中原中也賞を受賞し、2024年には「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」に選ばれ「現代詩界のホープ」と称される最注目の詩人。新作『こんこん』は、隣県のテーマパークへ静岡から車で二時間半かけ通い詰める女性・青井まどが、きつねの着ぐるみ「こんこん」とその「中の人」へ寄せる孤独で純粋な愛のゆくえを描いた作品。文芸誌「文藝」掲載直後より、SNS上には共感、感嘆の声が続々と寄せられ、多くの文芸時評・季評で取り上げられるなど話題を呼んだ表題作に加え、書き下ろしとして掌篇小説「水滴のシール」、詩篇「水色の家」を収録した待望の単行本となる。
特別な一冊を一人でも多くの読者へお届けすべく「応援書店」の募集を実施。賛同いただいた書店では、『こんこん』購入特典として限定ステッカーをプレゼント。透明度の高い色彩と優しいタッチが織りなす世界観で大人気のイラストレーター・oyasmur(オヤスマー)が本書に描き下ろした扉絵をプリントした、他では入手できない特製ステッカー(50×60mm)となる。※『こんこん』応援書店は、近日中に当社HP、SNS等にて公開予定。※購入特典は各書店の予定数に達し次第配布終了。
〈いまのわたしをかたちづくっているのは、顔も、名前も知らないあなた。あなただけ――〉テーマパークの“雪のようで、湧き水のようなきつね”の着ぐるみ「こんこん」を愛するまど。その「中の人」を見つけ出そうと、「着ぐるみに入れる体格」という条件でマッチングアプリを始め、低身長コンプレックスの男性・ひらくと出会うけれど……。
最果タヒが推薦コメントを発表。「きみを愛することが、きみのために少しもならないとしたら、私は私の愛情を抱えて、この愛情がどこまでも膨らんで、孤独も嫉妬も埋め尽くして、そうして愛にすがりつくことなどできないほどに、愛そのものになるまで、きみを愛し続けるだろう。この物語を読むと、そう思えた。」とコメントした。
全国書店員のコメント
彼女の気持ちがわかりすぎて、苦しかった。――山中真理(ジュンク堂書店 滋賀草津店)
推しへの想いを綴った言葉たちのあまりの透明度、その結晶の美しさに圧倒されました――藤田ほまれ(文教堂書店 中央林間店)
傷つきたくない、嫌われたくない、汚したくない、汚されたくない、無条件で愛されたいし、無限に愛したい。でも責任は取りたくない。肉体的なものではない、もっと奥の愛の根源に触れたい。でも世間はそれを簡単には許してはくれない。年齢を重ねれば重ねるほど、自分の好きなものを純粋に好きと言いにくくなる世の中はとても息苦しい。綺麗でかわいくて大好きなものに囲まれたまま年を取って、ゆっくり死んでいきたいなと思いました。――海老原歩未(紀伊國屋書店 新宿本店)
「わたしは、かわらずのいしを撫で続けているトゲピーだから。」すごく共感してしまう言葉でした。なぜみんなは変わってしまうのだろうか。まどと一緒に幸せになりたいとおもいました。――山下真央(くまざわ書店 調布店)
キラキラはいつまでも永遠で、生身の人間との恋は生々しく残酷だ。まどがいつまでも可愛いものが好きで、こんこんを見ていられますように。――望月美保子(BOOKSえみたす アピタ富士吉原店)
かわいいってなんだろう。幸せってなんだろう。生きていくってどういうことなんだろう。好きなものがあるのにどうして寂しいんだろう。近くなればなるほどあやふやになってしまう愛の形とその距離。今を満たして、これからを約束してくれる存在を求める気持ちはきっと誰の心にもあるんだと思った。――塩里依子(くまざわ書店 西新井店)
著者紹介
水沢なお(みずさわ・なお)
1995年、静岡県生まれ。詩人。2016年、第54回現代詩手帖賞。2020年、第一詩集『美しいからだよ』(思潮社)で第25回中原中也賞。ほか著書に第二詩集『シー』(思潮社)、小説集『うみみたい』(河出書房新社)。
■書誌情報
『こんこん』
著者:水沢なお
価格:2,200円(税込)
発売日:2026年3月27日
出版社:河出書房新社

























