中島健人、セクシーを全世界に向けて発信! 挑戦作『SとX』でさらなるセクシーの極地へ

持ち前の“セクシー”で空間を支配する天才
彼はセクシーだ。この単純な一文を英文にしてみる。He is sexy . 「sexy」は形容詞であり、先の日本語文の「セクシーだ」は形容動詞になる。英単語の形容詞を日本語カタカナ的に使う時はこうして形容動詞にする必要がある。しかし、彼はセクシーだと言う時の「彼」を「中島健人」に置き換えると事情は変わる。
中島健人といえば、「セクシーサンキュー」という必殺フレーズがお馴染みだ。2024年3月31日をもって卒業したアイドルグループ「Sexy Zone」を心から愛する気持ちに裏打ちされたこのフレーズは記者会見、ライブ、ラジオ番組など、あらゆるシチュエーションで連呼されてきた。連呼する中島本人がセクシーな人という形容詞的な意味合いも当然含まれるわけだが、これだけ多用されるともはや中島健人がセクシーなのかセクシーが中島健人なのか、どちらが鶏で卵かあべこべになる。だから彼の場合に限っては「彼」を「セクシー」に置き換えて「セクシーはセクシーだ」という文法さえ成立する。これを中島健人セクシー構文と命名しておく。この特異な構文に従って彼は自由に華やかに、持ち前のセクシーを全世界に向けて発信することができてしまう。
2025年10月29日リリースの2ndシングル『IDOLIC』タイトル曲サビのフレーズでは、“We are Hyper Sexy Sexy”などに含まれる“Sexy”が6回もリフレインされる上に、“偶像を超える”と歌詞が結ばれる。中島健人が偶像(アイドル)を超越した存在になるなら、それはもうセクシーそのもの、あるいはセクシーを具現化した何かしらの形しかないだろう。同曲を披露した有明アリーナ公演『THIS IS KENTY -IDOL ver2.0-』のステージングはまさにセクシーが行き届いた空間だった。中島健人とは持ち前のセクシーで空間を支配する天才であり、この才能は主演ドラマなどでも強烈な印象を与える。例えば、2021年放送の『彼女はキレイだった』(フジテレビ系)。第1話冒頭、ニューヨークのアパートで引っ越し準備を整えた主人公・長谷部宗介(中島健人)が窓辺に移動しながら英語で通話している場面。シルキーな歩調をフォローするカメラワークとセクシーな英語発音もさることながら、段ボールが並ぶがらんとした室内で背中しか見せていないというのに中島のセクシーが空間全体に早くも充満していた。セクシーを体現する中島健人がそこにいるだけでその場が一瞬で中島色に染まり、中島健人の化身とも言えるセクシーが空間を完全に掌握する。韓国オリジナル作品であり、中国でもドラマ化されてきた日本リメイク作だけにセクシーな仕上がりも磨きがかかっていた。その意味でNetflixシリーズ作として制作開始が発表された、多田基生原作『SとX ~セラピスト霜鳥壱人の告白~』(以下、『SとX』)は、中島のセクシー構文がさらに発展することが期待できる注目作になるだろう。
セクシャルな物語を中和しながらセクシーの極地へ
『SとX』は夫婦間のセックスレスや性機能の問題など、現代人のセクシャルな悩みを解きほぐすセックス・セラピストの物語だ。中島は主人公のセラピスト(精神科医認定セラピスト)・霜鳥壱人役を演じる。中島が出演したNetflix前作『桜のような僕の恋人』(2022年)が純愛物だったことの降り幅、さらにアイドルの王道をひた走ってきた彼にとってかなりハードな役柄となるが、本人もまた「『アイドル』である自分が、『セックス』をテーマにした作品に取り組む意義について、深く考えました」と前置きして、「今の自分ならできると思いオファーをお受けしました」と力強くコメントしている。
中島が「取り組む」中には当然、彼がこれまで演じてこなかったセクシャルな描写も多分に含まれていると想像するわけだが、原作漫画の第1巻第1話にあるいくつかのコマを見てこれは確かに中島健人だからこそ表現できそうな作品になると感じた。例えば、最初の相談者・大村梨沙にヒアリングする場面の一コマ。壱人と大村が向き合って座る部屋は「最近部屋を改装したばかりで」とエクスキューズされるように雑然としている。『彼女はキレイだった』の整然とした部屋とは対照的な空間だが、ここでもどんな天才ぶりを発揮するのか楽しみになる。床には散乱物が多い。これらが重要な小道具となり、空間に行き渡るセクシー成分が手当たり次第絡み合うスポットになるかもしれず……。逆に隠れセクシー要素を見つけるのが大変なくらい、中島健人のセクシー構文に基づいたセラピー空間が設計されるのではないだろうか?
あるいはまたこんな一コマ。看護師・犀川優太によるデリカシーがない発言を受け釘を刺す壱人が「ぎろっ」と睨み付ける顔のアップは、実写化作品のワンショットを見る前でも中島がメリハリある表情で視聴者をドキッとさせる場面が容易に想像できる。犀川から合コンに誘われた壱人が「バタン」とドアを閉めてしまう間合いもきっとセクシーな余韻が画面上を支配するだろう。明らかにセクシャルな物語でありながら、そうした要素をあえて中和する。それがセクシーの担うところになってくるのだと思う。そして極め付けは第2話の表紙絵。渋谷センター街を背景としてネクタイを直角に翻す壱人が読者の方を一心に見つめ、柔らかくもピリッとした表情を浮かべる。これは実写化作品のメインビジュアルにしてもいい。この魅惑の一枚が、セクシャルな原作に「取り組む」中島健人が体現する(だろう)セクシーの極地を覗かせる。























