本の力を信じた女性たちの物語 『わたしたちの図書館旅団』刊行へ

ジャネット・スケスリン・チャールズによる『わたしたちの図書館旅団』(東京創元社)が1月13日(火)に発売された。
本作のひとつめの舞台は第一次大戦下、1918年のフランス北部。ニューヨーク公共図書館の司書ジェシーはドイツ軍との戦いで破壊された図書館の再建のため、前線からほど近い村に派遣された。傷ついた住民に本を届け、兵士に戦地での慰めとなる一冊を紹介し、子どもたちを集めて読み聞かせをおこなう日々。しかし、ドイツ軍が村に迫っており……。もうひとつの舞台は1987年のアメリカ。ウェンディーという女性が、ニューヨーク公共図書館の記憶保管課で、収蔵されている資料を保存のため撮影している。あるとき、第一次世界大戦下でフランス北部再建のため、戦地に渡ったジェシー・カーソンという司書の存在を知り、彼女について調べはじめ……。ふたつの時代を通じ、本の力を信じて戦う女性たちの姿を描いた、傑作長編小説となる。
刊行前に抽選で30名の方にプルーフ版での先読みキャンペーンを開催。感想コメントのうち、一部を紹介。
感想コメント
戦争という過酷な現実の中で傷つきながらも、それでも信念を失わず行動する人々の姿に、読み進めるほど心が熱くなった。武器ではなく「本」を携え、読むこと、物語を手渡すことが人の尊厳や希望を守る行為になり得る――そのことを本作は、静かでありながら確かな力で伝えてくる。派手な英雄譚ではなく、女性たちの勇気と連帯、その積み重ねが人の心を救っていく様子が強く胸に残った。
(O・Kさん)
戦中異国の最前線で、復興支援に尽力した、女性だけの団体があった事実に驚かされます。実在しモデルとなった女性達の実像に、とても興味を引かれました。時代や性差や職場の序列の中で葛藤しつつも、自分の道を邁進する主人公と、歴史に埋もれた謎の女性司書を追いかける1980年代の主人公の物語が、交互に展開する構成も効いていて、どちらの主人公の行く末にも引き込まれました。
(R・Nさん)
戦火の中に暮らす子供たちにひとときの夢や安らぎを本を通すことで与えるそんな図書館司書の奮闘と、戦時下で失ったことを悲しむ人々の心情とが溶け合う本を読めることの幸せを再確認できた
(M・Yさん)
内容紹介
1918年、フランス北部。ニューヨーク公共図書館(NYPL)の司書ジェシーは、前線からわずか65キロメートルに位置するブレランクール村に到着した。〈荒廃したフランスのためのアメリカ委員会(CARD)〉のメンバーとして、ドイツ軍との戦いで破壊された図書館の再建を目指すためだ。ジェシーは傷ついた住民に本を届け、兵士に戦地での慰めとなる一冊を紹介し、子どもたちに読み聞かせをおこなっていく。だがドイツ軍が村に迫ってきて……。
1987年、アメリカ。ニューヨーク公共図書館の記憶保管課(リメンバランス)で、収蔵されている資料を保存用に撮影する仕事をしているウェンディーは、1918年に発表された〈荒廃したフランスのためのアメリカ委員会〉の会報に興味を惹かれる。第一次世界大戦中、有志の女性たちが集まって、フランス北部再建のために働いたという団体――。そして戦地に渡ったジェシー・カーソンという司書の存在を知り、彼女について調べはじめるが……。『あの図書館の彼女たち』の著者が贈る傑作長編。
著者プロフィール
ジャネット・スケスリン・チャールズ
アメリカのモンタナ州出身で、現在はパリに住む。デビュー長篇Moonlight in Odessaはメリッサ・ネイサン賞のロマンティック・コメディ小説部門賞を受賞し、〈パブリッシャー・ウィークリー〉誌で2009年秋のデビュー作品トップ10のひとつに選ばれた。パリのアメリカ図書館でプログラム・マネジャーとして働いた経験を活かして執筆した『あの図書館の彼女たち』は、2021年のAmazonベストブックの一冊に選ばれ、〈ニューヨーク・タイムズ〉紙のベストセラーリストに載るなど人気を博した。
訳者プロフィール
髙山祥子(タカヤマショウコ)
1960年東京都生まれ。成城大学文芸学部卒業。訳書にケイト・ウィンクラー・ドーソン『アメリカのシャーロック・ホームズ』、アラン・フラド『リスボンのブック・スパイ』、C・J・レイ『ロンドンの姉妹、思い出のパリへ行く』、ジャネット・スケスリン・チャールズ『あの図書館の彼女たち』、カラーニ・ピックハート『わたしは異国で死ぬ』、キャサリン・ライアン・ハワード『罠』などがある。
■書誌情報
『わたしたちの図書館旅団』
著者:ジャネット・スケスリン・チャールズ
訳:髙山祥子
価格:2,530円(税込)
発売日:2026年1月13日
出版社:東京創元社
























