デヴィッド・ボウイは何者だったのか──『戦メリ』関係者、ポール・マッカートニーら182人が語る伝記本

デヴィッド・ボウイの伝記が発売

 伝説的ミュージシャン、デヴィッド・ボウイの人生を、関係者182人の証言からたどる伝記『デヴィッド・ボウイ、その人生』(亜紀書房)が、2025年12月25日に発売される。

 デヴィッド・ボウイは、1947年1月8日生まれのイギリスのシンガーソングライター。グラミー賞には19回ノミネート、5回受賞しており、1996年にはロックの殿堂入りを果たした。『スターマン』『レッツ・ダンス』をはじめ、フレディ・マーキュリー率いるロックバンド、クイーンとの共作『アンダー・プレッシャー』など、数多くの名曲を生み出し、2016年にこの世を去った。

 マドンナやカニエ・ウエスト(現:ye)、布袋寅泰がリスペクトを公言しており、ミュージシャンにも多大な影響を与えているデヴィッド・ボウイ。音楽活動のみならず、俳優としても様々な作品に出演しており、大島渚監督の映画『戦場のメリークリスマス』(1983年)では、第2次世界大戦下の日本軍捕虜収容所を舞台に、英軍少佐ジャック・セリアズを演じ、北野武、坂本龍一、内田裕也らと共演。公開された1983年当時もカンヌ国際映画祭に出品されるなど注目を集めた『戦メリ』だが、現在でも世界的に高い評価を受けており、世界中の名作・傑作映画の高品質DVD&BDを発売するレーベルとして知られるアメリカの映像ソフトメーカー・クライテリオンが展開する「著名人が選ぶベスト映画」企画では、『ダークナイト』『インセプション』で知られるクリストファー・ノーラン監督が、第6位に本作を選出しており、「デヴィッド・ボウイのカリスマ性をこれほど捉えた映画は数少ない。彼の才能のために仕立てられた作品だ」と激賞している。また本作で坂本龍一が手がけた楽曲『Merry Christmas Mr. Lawrence』も、映画音楽の名曲として広く知られている。

 このたび発売される『デヴィッド・ボウイ、その人生』は、そんなボウイと関わった182人もの人物の証言を集めた伝記本である。彼の幼馴染や親族、仕事仲間、ファンに至るまで、多様な立場から語られる回想は、必ずしも一つの像に収束しない。しかし、その食い違いこそが、「カメレオン・ロック・スター」と呼ばれたボウイの多面性を、より鮮明に浮かび上がらせていく内容となっている。

 ボウイについて語る182人の証言者には、ミック・ジャガー、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの中心人物 ルー・リード、ボノ、ザ・ビートルズのポール・マッカートニー、世界的ファッションデザイナーとして知られるポール・スミスのほか、映画『戦場のメリークリスマス』のプロデューサーであるジェレミー・トーマスなど、音楽・ファッション・映画の第一線を担ってきた巨匠たちが名を連ねている。彼らの言葉からは、アートロックのスーパースターであり、ジェンダーの境界を越えた存在、半世紀にわたりカルチャーアイコンであり続けたデヴィッド・ボウイの姿が立体的に描き出される。

 名盤として語り継がれる5thアルバム『ジギー・スターダスト』から遺作『★(ブラックスター)』に至るまで、常に音楽スタイルを変化し続けてきたボウイ。その創作の裏側にあった挑戦、葛藤を、182人の証言から明らかにする本書は、500ページを超える大ボリュームの一冊となっている。没後10年という節目に刊行される本書は、ボウイ評伝の決定版だ。
 
 
 ■書誌情報

デヴィッド・ボウイ、その人生

著者:【著】ディラン・ジョーンズ
【監訳】菅野 楽章
【訳】安達 眞弓
価格:5,500円(税込)
発売日:2025年12月25日
判型:A5判
出版社:亜紀書房

 

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「重版」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる