【漫画】夫に隠しごとがバレて……予測不能な展開が続く『カワイさんが鳴く』に笑いが止まらない

「僕に隠し事してるでしょう」良き妻を演じていた主人公・葵は、ストレス発散のために“あること”を行っていた。ついに夫・修にバレそうになるも、当の修はとんでもない勘違いをしており……。
夫婦が架空の鳥に振り回されるギャグ漫画『カワイさんが鳴く』が、Xにアップされた。今回はギャグ漫画家として活動する本作の作者・野火けーたろ(@nobinobiketaro)氏に、制作の背景や独自の制作方法について話を聞く。
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ーー本作を創作した経緯を教えてください。
野火けーたろ:日常のなかで起こる、面白いことを描きたいなと思ったのがきっかけです。大きな事件が起きているわけではないけど、それがどんどん展開していって、最終的に予想外の展開に着地するストーリーを描きたくて創作を始めました。最初はある出版社で読切として掲載していただく用に考えていたんですけど企画が流れてしまって、それならとコミティア用の同人誌漫画として描きました。
ーー“日常のなかで起こる面白いこと”というイメージから、「妻の奇声を鳥と間違える夫」を思いついた背景は?
野火けーたろ:まず、「奇声をあげる」とか「近しい人にも見せたくない姿がある」とかって、実は結構万人にある普遍的な現象とか感情なのかなと個人的には思っています。なので最初は「奇声をあげる人」から考え始めて、それがどのように勘違いされたら面白いかを考えました。
ーー単純なボケとツッコミではない、独特な世界観でのギャグが面白かったです。
野火けーたろ:私なりの考え方ですけど、結構ギャグ漫画は大喜利に答えるような感覚で描いています。大喜利のテーマとなる世界観を最初に考えて、それに答えるようにギャグを作るんです。本作で言うと1周目のお題が「奇声を何と勘違いしたか」なので、答えとして「鳥と勘違いした人」を描いています。そして2周目のお題が「奇声を鳥と勘違いした人がすること」で、その答えとしては「食パンをあげる人」や「近所の鳥を飼っている人に話しかける人」を描きました。そういう流れで描くことが多いです。大喜利をしたことはないんですけどね。
ーー本作のなかで、野火けーたろ氏自身が気に入っているポイントは?
野火けーたろ:やっぱりカワイさんの葬式に繋がる展開が気に入っています。当初から予想外の方向に進めたいという気持ちがあったので、「奇声を鳥と間違える」からは想像できないほどダイナミックな流れにできたのがよかったです。
ーー野火けーたろ氏が漫画を描き始めたきっかけを教えてください。
野火けーたろ:元々、漫画にかかわらずすごい作品に触れると、「自分には何ができるだろう」と考えるタイプなんです。音楽が好きなんですけど、とあるバンドを知ったときに「音楽は無理だ」と感じて、だったら何ならできるかと考えました。そこで絵を褒めていただくことが多かったことや、話を考えることが好きだったこともあり、思いついたのが漫画でした。
その後漫画の専門学校に通うなかで、講師の方々が人間としてもすごく面白くて、「プロになったらこの輪に入れるのか」と仕事として漫画を描くことも意識し始めました。
ーー最後に、漫画家としての今後の展望を教えてください。
野火けーたろ:これまでの私の漫画は、シチュエーションからキャラクターやギャグを考える作品が多かったんです。でも私の考え方ではあるんですけど、シチュエーションから考えるギャグ漫画は限界があるかなと感じていて。キャラクターから考えるのがベストなのかなと思っているんです。面白いキャラクターがいれば、キャラクターが何をしていても面白いじゃないですか。さらに、面白いキャラクターがいるうえで、面白いシチュエーションを掛け合わせられれば最高だと思います。なので次作は、魅力的なキャラクターから考えて面白い漫画を描きたいです。
■『カワイさんが鳴く』はメロンブックスで紙・電子版共に発売中(2025年12月14日現在)























