「感情を抑える」より「上手につきあう」へ 子どもの心を育む新しい心理教育本『こども感情とのつきあい方』刊行

”こどもシリーズ”の最新刊テーマは「感情」

 『こども感情とのつきあい方 自分の感情と大切につきあえるようになる本』が11月5日(水)にカンゼンより発売された。

 シリーズ累計発行部数は38万部を突破しており、今回のテーマは「感情」となっている。本書では、「うれしい」「怒り」「穏やか」「悲しい」など、誰もが抱く感情を題材に、人が自分自身を理解し、他者と良好な関係を築くための方法を紹介する。感情はトラブルの原因となる場合もあるが、同時に自己理解の手がかりにもなると位置づけ、感情を無理に抑えるのではなく、適切に受け入れ、扱う力を育むことを目的としている。

 内容は、怒りやイライラなどの強い感情との向き合い方や、自分の気持ちを整理する方法、友人や周囲の人と良好な関係を築くための考え方などを、子どもにもわかりやすい構成で解説。感情の持つ役割を理解することを通じて、自己理解と他者理解のバランスを学べる内容となっている。

 監修を務めるのは、東京学芸大学名誉教授で心理学者の相川充。専門は対人心理学で、ソーシャルスキルの研究・教育に長年携わってきた。相川は、人づきあいは性格ではなく「技術」で改善できるという考え方を基に、学校教育やビジネス現場への実践的な心理教育を推進してきた人物でもある。著書には『イラスト版 子どものソーシャルスキル』『こども「友だちとのつきあい方」』『ピンチを解決!10歳からのライフスキル』などがある。

内容紹介

感情と上手につきあって、自分をもっと好きになろう

あなたは今、どんな気持ちですか?うれしいですか?悲しいですか?今、何を考えていますか?これらの質問に、あなたは、すぐに答えることができなかったのではないでしょうか。これらの質問に答えるには、まず、目に見えない自分の心の中をのぞきこんで「今、自分はどんな気持ちなんだろうか」と考えて、次に、自分の気持ちを「うれしい、と感じている」などと決めなければならず、時間がかかるからです。

つまり、あなたは頭の中で「考えて」から、自分の「気持ち」を決めて、はじめて、質問に答えることができたのですこの「考えて」から「自分の気持ち」を決めるまでの流れのうち、「考えて」は、心理学では「思考」と呼び、「自分の気持ち」は「感情」と呼びます。「思考」と「感情」は、体の外の出来事に対して、次のような順番で生まれます。「出来事(自分の行動、ほかの人の行動)→思考(行動の原因や意図について考える)→感情」。この順番なので、同じ出来事であっても、あなたが、その出来事をどう思ったり考えたりするかによって、あなたの感情は違ってきます。

この本の目的は、感情との上手なつきあい方をあなたに提案することです。感情について説明したうえで、どのように感情と、つきあったらよいのかをあなたに伝えたいのです。この本を読んで、実際にやってみることをくり返せば、あなたは、感情と上手に、つきあえるようになり、あなた自身をもっと好きになれます。

あなたの毎日が、幸せに終わり、希望に満ちた明日を迎えることができるようになります。
(監修者執筆・本書「はじめに」より一部抜粋)

目次

第1章 感情は毎日の生活の中で変化する
友だちと意見が違ってイライラしたことはない?
友だちのほうが勉強ができると不安にならない?
家族と一緒にいると心が落ち着かない?…など
第2章 いろいろな感情があることを知ろう
感情ってなんだろう
うれしい、怒り、悲しい以外の感情って何?
ネガティブな感情は自分を守るためのサイン…など
第3章 自分の感情とどうつきあう?
自分の今の感情を知ろう
感情がわからないときはどうする?
もうひとりの自分を頭の中につくってみよう…など
第4章 怒りとのつきあい方を学ぼう
怒りは友だちとケンカするもとになってしまう
怒りをぶつけても問題は解決しない
怒りをプラスのエネルギーに変えよう…など
第5章 友だちの感情とのつきあい方は?
友だちの気持ちを思いやろう
友だちを傷つけない言葉をかけよう
友だちが喜んでいるときは一緒に喜ぶ…など
第6章 自分の感情を大切にしよう
いろいろな感情を持つことは普通のこと
ネガティブな感情も受け入れよう
自分の感情を大切にしよう…など

■書誌情報
『こども感情とのつきあい方 自分の感情と大切につきあえるようになる本』
監修:相川充
著:バウンド
価格:1,650円(税込)
発売日:2025年11月5日
出版社:カンゼン

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