『転スラ』完結巻発売! Kis-My-Ft2・宮田俊哉のラノベ続編の舞台はロンドンに? 11月のラノベは話題作続々

キスマイ・宮田俊哉のラノベ続編の舞台は?

 2025年11月のライトノベルで最大の注目作は、世界的な人気シリーズとなった『転スラ』の本編完結作となる伏瀬『転生したらスライムだった件 23』(GCノベルズ)。テンペストを脅かす敵との戦いが続く中、盟主のリムルが帰還してテンペスト陣営も盛り上がるが、戦いの根幹を揺るがしかねない情報がもたらされてリムルに決断を迫る。異世界に転生して最弱種族から成り上がっていったリムルの物語の帰結を確かめよう。11月29日発売。


 もう1作、注目を集めそうなのがKis-My-Ft2の宮田俊哉によるライトノベルの続編『境界のメロディ2』(メディアワークス文庫)。第1巻にも登場したバンド、サムライアーのメンバーがロックの聖地ロンドンへと赴き音楽活動に励む中、またしても死んだはずのカイという名の男子が現れ、サムライアーの面々にバンドになってないと告げる。思い残していることがある人のところに現れ、悩みや問題を解きほぐしていくストーリーを今回も楽しめそう。ドラマCD付き特装版ともども11月25日発売。

 ファンタジー戦記に新たな時代をもたらした樽見京一郎のシリーズ最新作『オルクセン王国史~野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか~ 6』(サーガフォレスト)も11月14日に発売。エルフたちの国・エルフィンドとオークのグスタフ王が率いる魔族連合国家オルクセンの戦いが激化する中、エルフィンドで虐げられていたダークエルフ族も最強の戦闘集団として戦場を駆ける。緻密なミリタリー描写や戦場の描写に浸れそうだ。

 11月は新人賞からの刊行作品が豊富な模様。第19回小学館ライトノベル大賞で〈優秀賞賞〉となった塗田一帆『1/nのワトソン』(ガガガ文庫)は、探偵系Vtuberとして活動している「ほむるちゃん」の元に舞い込んだ依頼を、視聴者たちが”正解”を目指して競い合うという人任せミステリ。VtuberやVRといったテクノロジーについての知識が繰り出されてそうした文化と技術をいろいろと学べそう。11月18日発売。

 第21回MF文庫Jライトノベル新人賞からは〈最優秀賞〉と〈鈴木大輔賞〉をダブル受賞した罠和ノワナ『やぁ“登校”に挑めニンゲン ~ゲーマー共は武器を片手に歪んだ校舎を踏破する~』(MF文庫J)が11月25日に刊行。放課後に学園に登場する迷宮に世界屈指の最強VRゲーマー集団が挑むといったストーリーで、バトルもあればコメディもあって攻略もある充実の内容に審査員が満場一致で選び出した。保証された面白さを期待できそう。

 空洞ユキ『殺されて当然と少女は言った。』(MF文庫J)は、第21回MF文庫Jライトノベル新人賞〈佳作〉を受賞した作品。県会議員だった父親が自宅で惨殺されたにもかかわらず、娘で女子高生の真中理央は父親の死を肯定する。その意図は? 殺人犯が捕まらないのはなぜなのか? 美しい少女の秘められた心象が暴かれる。11月25日発売。

 第12回ネット小説大賞で入賞を果たしていたおとら『アラフォー料理人が始める異世界スローライフ』(ツギクルブックス)は、料理人がフェンリルやエルフが暮らす異世界に転移してしまって、自分がやれる料理によって住人たちを笑顔にしていくほんわかストーリー。作者自身も元料理人だったとのこと。本格的な知識と異世界ならではの食材なりが組み合わさった珍しくも美味しそうな料理を小説として味わえるだろう。11月9日発売。

 囲碁がテーマという異色のライトノベルも登場。空兎81『星天 天才囲碁少女、異世界で無双する』(ドラゴンノベルス)は、病弱ながら囲碁が強かった少女がネット対戦で無双した果てに死去。そして星天という名で揉め事を囲碁の勝負で決め世界に生まれ代わり、本来は囲碁を指すことはない女性の身で無双を続ける。命すらかかった勝負でも動じない星天の囲碁にかける執念に大いに刺激される、前代未聞の囲碁ファンタジーだ。11月5日発売。

 『雨の日のアイリス』の松山剛による『死神さん、やさしく殺してキスをして』(電撃文庫)は11月8日発売。朝が来なくなったロンドンに暮らすジェームズが、死神として人の寿命を削る仕事をなかなか出来ずにいる時に、人の寿命を回復させる力を持ったシスターと出会い、不治の病にかかっているジェームズの妹を生きながらえさせる代わりに、命を奪って欲しいとシスターから頼まれる。命をめぐるやりとりを楽しめそう。

 作者が柴村裕吏でタイトルが『シートン動物戦記』(KADOKAWA)というだけで面白そうだという確信が浮かぶ作品が11月29日に登場。貴族の長男でありながら、獣が好きだということで軍人になったシートンが、まともな戦力とは見なされていなかった獣人たちの心を捉えて味方に付け、伝説となる部隊を率いるまでになっていく。獣人たちへの尽きせぬ情愛がケモナーな読者の心をドキドキさせそうだ。

 設定面では、木月陽『レディ・バレットは恋の設計図を知らない 白皙の機械人形とはじまりの心音』(富士見L文庫)が面白そう。機械が人々の生活を支えているノーサンギアという街で、機械工をしているハリエットをセブンスという名の青年が訪ねてくる。自分は機械で暴走状態だから解体を希望するセブンスと共に、市中で発生している機械が暴走する原因不明の事態に挑んでいく。心を持たないはずの機械に目覚める感情や、人が機械に抱く思いなどを描いたSF的なストーリーを楽しめそう。11月14日発売。

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