“サッカー王国”と呼ばれた埼玉県の現在地と未来を探る『埼玉高校サッカーの復権を担う男たち』

埼玉高校サッカーの現在地と未来を探る書籍

 河野正による『埼玉高校サッカーの復権を担う男たち』が10月23日にカンゼンより発売された。

 かつて“サッカー王国”と呼ばれた埼玉県だが、全国高校サッカー選手権での優勝は1981年度の武南高校を最後に途絶えており、実に半世紀近く頂点から遠ざかっている。本書では、その復権を目指す16校の指導者たちへの取材を通して、埼玉サッカーの現在地と未来を探る。

 登場するのは、市立浦和、浦和、浦和東、浦和南、大宮南、川口北、埼玉平成、正智深谷、昌平、西武台、聖望学園、東京成徳大深谷、武南、細田学園、武蔵越生、立教新座と、県内を代表する高校ばかり。全国屈指の激戦区・埼玉において、それぞれの監督がどのようにチームを導き、選手たちにどんな哲学を伝えているのか――その指導論や育成方針、そして勝利への執念を丁寧に掘り下げている。

 著者の河野正は、埼玉新聞で長年にわたり高校サッカーを中心に取材を続けてきたベテラン記者。浦和レッズの黎明期から取材を続け、ワールドカップ取材経験も持つなど、日本サッカー界の“現場”を知り尽くす一人だ。そんな著者が、38年に及ぶ取材の蓄積をもとに、埼玉サッカーの過去・現在・未来を一冊にまとめ上げた。

 名門校が再び栄光をつかむためには何が必要なのか。個性豊かな16人の指導者たちの言葉とともに、埼玉高校サッカーの「眠れる王国」の再生への道が描かれている。サッカーファンはもちろん、スポーツ教育や地域スポーツに関心のある読者にも必読の一冊だ。

■内容
埼玉県の高校は過去に13回、全国高校サッカー選手権を制している「サッカー王国」にもかかわらず、1981年度の武南高校を最後に、約半世紀ほど優勝から遠ざかっています。埼玉が全国で復権するための道しるべを、埼玉を代表する16校の指導者による熱き攻防から探ります。

■構成
1市立浦和 大野恭平/2浦和 本田哲也/3浦和東 平尾信之/4浦和南 野崎正治/5大宮南 田中龍太郎/6川口北 池田一義/7埼玉平成 浦田尚希/8正智深谷 小島時和/9昌平 芦田徹/10西武台 守屋保/11聖望学園 山本昌輝/12東京成徳大深谷 為谷洋介/13武南 内野慎一郎/14細田学園 上田健爾/15武蔵越生 西澤浩一/16立教新座 前田和伸

■著者
河野正(かわの・ただし)
1960年生まれ、埼玉県出身。1984年に埼玉新聞社入社、校閲部と整理部を経て1986年に運動部に配属され、多くの競技種目を取材した。1988年1月からサッカー担当となり、高校サッカーを皮切りにさまざまなチーム、指導者、選手らと接してきた。取材歴は2025年で38年目に入った。Jリーグの浦和レッズは、日本サッカーリーグ(JSL)の1990-91シーズンから前身の三菱自動車の取材をスタート。2025年で36年目を迎えた。2006年秋の退社後はフリーランスとなり、サッカーを中心にスポーツ記者として活動中。ワールドカップは1998年のフランス大会、2002年の日韓大会、2006年のドイツ大会を取材した。元埼玉スタジアムアドバイザー。好きな選手は中学校時代からヨハン・クライフ。主な著書に『浦和レッズ 赤き勇者たちの物語』『浦和レッズ 赤き激闘の記憶』(以上河出書房新社)、『山田暢久 火の玉ボーイ』『浦和レッズの強さは本物か?(共著)』(以上ベースボール・マガジン社)、『威風堂堂 浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。

■書誌情報
『埼玉高校サッカーの復権を担う男たち』
著者:河野正
価格:1,980円(税込)
発売日:2025年10月23日
出版社:株式会社カンゼン

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