ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』 各資料を網羅した完全版として刊行決定

ウンベルト・エーコ『薔薇の名前[完全版]』(東京創元社)が2025年12月25日頃に刊行される。
20世紀に発表され、全世界でベストセラーとなったウンベルト・エーコの話題作『薔薇の名前』。本作の[完全版]が東京創元社より刊行されることが発表された。
中世イタリアの修道院で起きた連続殺人事件。事件の秘密は知の宝庫ともいうべき迷宮の文書館にあるらしい。記号学者、哲学者、文芸評論家、中世文化研究者であった知の巨人ウンベルト・エーコが、その知をあますところなく注ぎ込み、全世界の読書人を驚嘆させた20世紀最大の問題小説。
完全版となる本書にはエーコ自身が下描きした、文書館の図面、登場人物のスケッチ等を収録。映画監督がコンテ絵を描くように、エーコ自身も登場人物のイメージスケッチ、中世の生活関連のスケッチ、文書館の図面などを描いていたという。
また別巻として刊行された「覚書」も収録。『薔薇の名前』刊行直後『「バラの名前」覚書』として而立書房から刊行されていましたものを、河島英昭が用意していた訳文を元に河島思朗が見直し、収録された。
そのほか原本の刊行後、折々に加えられた訂正を元に本書にて修正を実施。本書の予約受付は10月下旬が予定されている。
■著者プロフィール
ウンベルト・エーコ(Umberto Eco)
1932年、北イタリア、アレッサンドリア生まれ。記号学者、文芸評論家、哲学者、文学者、作家。トリノ大学で中世美学、トマス・アクィナスを研究。卒業後、イタリア放送協会(RAI)の文化番組や出版社ボンピアーニの評論部門に関わる。ミラノ大学、フィレンツェ大学を経て、ボローニャ大学の記号論の教授に就任。同大学名誉教授。著書に『薔薇の名前』、『フーコーの振り子』、『プラハの墓地』、『記号論』、『開かれた作品』、他多数。2016年2月没。
■書誌情報
『薔薇の名前[完全版](ばらのなまえ かんぜんばん)上下』
著者:ウンベルト・エーコ
訳者:河島英昭、河島思朗
価格:上巻3000円、下巻3200円(ともに税別)
発売日:2025年12月25日頃
出版社:東京創元社






















