『ONE PIECE』『NARUTO』『進撃の巨人』……世界陸上レース前“ポーズ”を独断と偏見ランキング!

「世界陸上」アスリートたちの決めポーズ

 2025年9月13日から9日間にわたり開催された「東京2025世界陸上」では、男子棒高跳びの世界記録誕生をはじめ、多くのドラマが生まれた。会場となった国立競技場には、大いに盛り上がりを見せていた。

 大会8日目には、総来場者数が53万人を突破したと主催者が発表。奇しくもその数字は『ドラゴンボール』(鳥山明/集英社)に登場するフリーザの戦闘力を彷彿とさせるものとなった。

 数々の名場面が生まれた今回の世界陸上で、とりわけ話題となったのが、選手たちがスタート前に披露した、日本発の漫画キャラクターをモチーフにした決めポーズだ。

 本記事では、漫画愛とユーモアあふれる選手たちが観客を沸かせたポーズを、筆者の独断と偏見でランキング形式にして紹介したい。

■山本有真選手『進撃の巨人』心臓を捧げよポーズ

 まずは第5位に挙げたいのが女子5000m予選1組に登場した山本有真選手が見せた『進撃の巨人』(諫山創/講談社)の心臓を捧げよポーズだ。


 右手の拳を左胸に当て、左手は拳を握り腰の後ろに当てるという敬礼ポーズの所作が完璧。もし腕が逆になってしまえば作中のコニー・スプリンガーのように長官に頭を鷲掴みにされて怒られかねない重要ポイントだ。

 5000m13分58秒06の世界記録を持つB.チェベト選手や「世界1早いママさんランナー」の異名を持つ5000m14分5秒20の世界歴代2位の記録を持つF.キピエゴン選手など、陸上界の巨人とも言える猛者がひしめく5000mの世界で勇敢に戦った山本有真選手は「調査兵団マインド」を持って勇敢に戦ったと言えるだろう。

■鵜澤飛羽選手『NARUTO』影分身の術ポーズ

 続いて第4位は男子200メートルで準決勝に進出した鵜澤飛羽選手が予選で披露した『NARUTO』(岸本斉史/集英社)に登場する影分身の術ポーズだ。


 両手の人差し指と中指を交差させ、印を結び自分の分身を作り出す術。主人公のうずまきナルトの得意技だ。予選を20秒39のタイムで3位に入り準決勝に進出した鵜澤選手。筆者の目にはほぼ分身していると言っても過言ではない程の圧巻のスピードだった。近い将来「多重影分身の術」を披露してくれることを期待したい。

■ノア・ライルズ選手『呪術廻戦』五条悟の「無量空処」ポーズ

 第3位は4大会連続の男子200m金メダルの偉業を成し遂げたノア・ライルズ選手による『呪術廻戦』(芥見下々/集英社)五条悟の「無量空処」ポーズだ。


 作中最強の呪術師である五条悟の領域展開。人差し指に中指を巻きつけるように結ぶ印の完全コピーはライルズ選手自身も呪術高専出身なのではないかと勘繰ってしまう程に見事だった。

 脳が処理しきれないほどの情報を無限に送り続ける術式である「無量空処」だが、ライルズ選手が見せた200mの激走の衝撃と4連覇という規格外の快挙は見る者の脳の処理が追いつかない、正にノア・ライルズの領域に取り込まれたと言っても差し支えないだろう。

■村竹ラシッド選手『HUNTERXHUNTER』ネテロ会長のポーズ

 第2位は男子110メートルハードルで5位に輝いた村竹ラシッド選手が準決勝3組の出走前に披露した『HUNTERXHUNTER』(冨樫義博/集英社)ネテロ会長のポーズだ。


 作中28巻で最強の敵、蟻の王メルエムと対峙したハンター協会のトップ、ネテロ会長。敗色濃厚の難敵に全身全霊で挑むことの喜びを思い出させてくれたメルエムに捧げたハートポーズはファンの間でも印象深いワンシーンだ。

 村竹ラシッド選手もまた、ネテロ会長のように自身の120%を発揮しても勝てないかも知れない強大な相手に出会えたことに、これまでの全てに対して感謝していたのだろうと想いを馳せずにはいられない。

■ノア・ライルズ選手『ONE PIECE』ルフィのギア2ポーズ

 そして栄光の第1位は男子200m準決勝3組でノア・ライルズ選手が見せた『ONE PIECE』(尾田栄一郎/集英社)の主人公モンキー・D・ルフィのギア2(セカンド)だ。


 足をポンプ代わりにして全身の血流の速度をアップさせることで爆発的な瞬発力を得るルフィの強化技であるギア2。発動の際は全身から蒸気が噴き上がり、超人的なスピードを得ることができるこの技を準決勝で披露したライルズ選手。文字通り決勝に向けてギアを上げてきたということの表れだろう。そんな日本の漫画文化への愛が伝わるライルズ選手が見せてくれた姿は我々日本人にとって実に誇らしい。

 また、日本人選手達が世界の超人に果敢に立ち向かう姿はまるで漫画のキャラクターのように輝いていた。そして多くのアスリートに影響を与えた日本漫画の偉大さを改めて体感できた瞬間でもあった。

 選手達の決めポーズをきっかけに、改めて作品を読み返して楽しむのも一興だろう。
祭りの終わりに一抹の寂しさは拭えないが、また新たな物語の誕生を楽しみに待ちたいところだ。

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