『あかね噺』『葬送のフリーレン』だけじゃない! 少年漫画誌で輝きを放つ女性主人公といえば?

■黒神めだか『めだかボックス』
同作の主人公・黒神めだかは主人公ながら連載終盤ではボスキャラのようなポジションに収まっており、もとは悪役ポジションで登場した球磨川 禊が人気投票では圧倒的な人気を誇っていた。(3回行われた人気投票で第2回と第3回は1位。2度とも2位以下の倍以上の得票数だった)。主人公が一番人気でないのは少年漫画のあるあるだが、悪役が一番人気で主人公が最後はボスキャラのポジションにいるような例を筆者は他に知らない。『めだかボックス』は当時のジャンプにおける看板作品の一つだったが王道の少年誌に連載されていながら、女性主人公に1番人気が悪役と少年マンガ史において色々と異色な作品だった。
■エマ『約束のネバーランド』
『約束のネバーランド』の主人公、エマは楽天的でポジティブで行動力にあふれる少年漫画王道の主人公的なキャラクター。姿かたちは少女なのに言動は少年のようで、少年のような少女の主人公だった。主人公が女性であることがまず少年漫画では珍しいが、『約束のネバーランド』はボーイミーツガールの要素がほぼ皆無で、フェミニンさを感じさせるような描写が全くと言っていいほど無かった。連載終了までそれは変わらず、エマは一貫して少年のような少女の主人公のままだった。
■来生三姉妹『キャッツ♥アイ』
女性主人公の古典的少年漫画として『Dr.スランプ アラレちゃん』(集英社)もあるが、主人公の則巻アラレは女性の姿をしているがロボットなのでこちらを挙げておこう。1980年代の週刊少年ジャンプ連載作で美人三姉妹の怪盗が主人公。アクション、ラブコメの要素を交えたジャンル的には少年漫画の王道的な作品である。おそらく本作の来生三姉妹は『ルパン三世』のルパン三世と並ぶ我が国のポップカルチャー界で最も有名な怪盗だろう。少年漫画に珍しく女性が主人公だが、目的のためなら殺人を含むダーティな手段を厭わないルパンと違い来生三姉妹はダーティなことはしない。殺人はしない、不要な盗みもしない、盗むものは三姉妹の父カール・ハインツ所縁の美術品だけである。
今では全年齢向けコンテンツだが元は青年誌から出発したルパン三世とは異なり、女性が主人公で犯罪者でも、ダーティな要素は極力省かれており、あくまでも本作は「王道の少年漫画」の領域にとどまっている。北条司氏の作品は特にフランスで人気が高いらしく、同氏の代表作である『シティーハンター』(集英社)に続いて本作もフランスで実写化されている。また、今年(2025年)9月よりDisney+の独占で新作アニメが配信されるとアナウンスされている。

























