『北斗の拳』“かませ犬”キャラが再評価!? 新作アニメで注目したい“南斗聖拳”の使い手たち
南斗水鳥拳のレイに南斗鳳凰拳のサウザー、その実力は?
とはいえ、南斗聖拳の使い手が全員弱いわけではない。代表格として挙げられるのが、南斗水鳥拳の使い手・レイだ。
「水面に浮かぶ水鳥のように優雅華麗」と称されるその拳法は、スピード感と軌道の読めない攻撃が強み。モヒカン系ザコに囲まれても涼しい顔で片付けるなどのクールな描写で、作中屈指の人気キャラに数えられている。ケンシロウと肩を並べて戦う姿も多く、ほぼ“相棒”的なポジションと言えるだろう。
だが、そんなレイもラオウとの戦いでは敗北。馬に乗ったままのラオウに秘孔「新血愁」を突かれ、三日後に体内から血を噴き出して死ぬという無惨な最期を迎えた。この展開はラオウの圧倒的な強さと、ケンシロウとの因縁を際立たせるための演出ではあるが、同時に「ラオウにはまったく歯が立たなかった」という印象を生んでしまった。
しかし戦いの描写をよく見ると、ラオウは決してレイを侮っていたわけではない。戦闘前には「死兆星は見えたか」と問い、真剣に向き合うべき強者として対等に評価していた節がある。あっけない敗北はたんなる力量差の表現ではなく、ラオウが確実に仕留めるべく“全力で潰しにきた結果”だったのではないだろうか。
さらに“南斗最強”とも言われるのが南斗鳳凰拳の使い手・サウザー。「聖帝」として独自の帝国を築き、ケンシロウを何度も追い詰めた難敵だ。
サウザーは「心臓が右側にある」という特異体質の持ち主で、秘孔の位置が常人とは異なるのが強み。しかし一部では、「特異体質頼みで、実力はそれほどではない」などと評されることもある。ケンシロウとの初戦にてあっけなく技を見切られ、秘孔を突かれる場面があるからだ。
だが南斗鳳凰拳は構えをとらず、防御を捨てて“制圧前進”に徹するのが特徴。あえてケンシロウの攻撃をその身で受け止めたと言うべきだろう。防御力と引き換えに手に入れた技の破壊力は並大抵ではなく、初戦ではたった数回の極星十字拳でケンシロウを切り裂き、勝利を収めていた。
そして身体の謎を暴かれてからも、強者としての格は揺らがない。南斗鳳凰拳には“対等の敵”が現れた時のための究極奥義・天翔十字鳳が存在するからだ。これは相手が自分に触れることは許さず、一方的に攻撃を加える華麗な技だった。帝王のプライドは決して伊達ではない。
新作アニメでは、いかにして南斗聖拳の強さが表現されるのか。ただでさえ華麗な技の数々が令和の映像表現によって蘇ることで、ファンたちの評価も一新されるかもしれない……。






















