ジャンプ新連載『ピングポング』は“闇卓球”が題材!? 異端のスポーツ漫画は短命ジンクスを打ち破るか

異端スポーツ漫画『ピングポング』

■本当に卓球漫画は鬼門なのか?

 実のところ『週刊少年ジャンプ』では、これまでも卓球漫画の連載が行われてきた。しかしほとんどヒット作は生まれず、短命に終わっている。

 たとえば2014年には、人生を卓球に捧げる高校生の活躍を描いた『卓上のアゲハ』が連載され、全23話で完結。また2017年には卓球元世界王者の孫が頂点を目指す『フルドライブ』が連載されたが、年をまたいで全16話で完結している。

 そのなかで運動音痴の少年と卓球の出会いを描いた江尻立真の『P2! ―let's Play Pingpong!―』は、全58話と健闘したものの、2年以上の長期連載には至らなかった。

 いずれも卓球という競技と真正面から向き合った正統派のスタイルで、読み応えのある内容だったが、そもそもスポーツ漫画が伸びにくい『週刊少年ジャンプ』では難しい挑戦だったのかもしれない。

 そんな“鬼門”のジンクスを踏まえて考えると、『ピングポング』が正統派とはかけ離れた設定を導入したのはクレバーな選択だったように思えてくる。『ライジングインパクト』や『黒子のバスケ』など、異能力バトルの要素を盛り込んだ異端スポーツ漫画の系譜として注目に値するだろう。

 しかも『ピングポング』の場合は異端といっても能力バトルどころか、「そもそも競技自体が異常」というユニークな設定。より一層物語の幅を広げる余地がありそうだ。

 鬼門とされる卓球漫画で短命のジンクスを打ち破れるのか。新たな大ヒット作になることを期待して連載を見守りたい。

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