【漫画】厳格すぎる教師の子供はどう育つ? 父と異母兄弟の家族問題を切り取った『享年17歳』

【漫画】厳格すぎる教師の子供はどう育つ?


――Xに投稿していかがですか?

太川善之(以下、太川):再掲になるのですが、「2回目に読んでも面白い」といったコメントがあって、数字以上に覚えてもらえていたことが嬉しかったです。

 あとは自分でも気に入っているタイトルに反応してくれる人がいたのも励みになりました。

――印象的なこのタイトルについても知りたいです。

太川:タイトルから物語を着想していきました。主人公が生まれ変わる物語をなるべく短い文字数で表現しています。今までは初の連載作『田中と鈴木』などコメディを描く機会が多かったのですが、今回はシリアスでリアリティのある物語を描きたくて。

 この題名をもとに「人間が羽ばたくタイミングって何だろう?」と考えた結果、家族の話になりました。

――家族ものではありますが、「あるある」なテーマではなくディープな話になっていますね。

太川:いわゆる幸せな家庭ではないですが、知人たちと話していると意外に家族の問題を抱えている人って多いんです。涼しい顔をしている人でも裏側では悩みがあるんだなと。そんな印象が反映されているのかもしれません。

 私自身にとっても恋人や友達とは違って、生まれた時から決まっている「家族」という存在については今も納得がいってないというか、考え続けてはいるテーマなんです。

――物語の構想については?

太川:タイトルが決まったらエンディングも何となくイメージできていたので、そこに向けてどう進めていくかと考えながら話を考えていきました。展開よりも家庭環境を設定していく方が難しかったです。

 主人公の心情、親からされたことをどう考えているかは想像しやすかったのですが、親から子への心情を想像してキャラに反映するのが特に大変で。これに関しては自分も子どもを育ててみないとわからないと感じてます。

――思い入れのある場面は?

太川:帰りの遅くなった美衣子を父親が叱った後にブレーカーを落とすシーンですね。プロットの段階から編集の方から「リアリティがあっていい」と言ってもらえたこともあり、個人的に手応えを感じた場面でもありました。

――作画についても教えてください。

太川:主人公は好青年、女の子はこれまで描く機会がなかったので可愛く描けたらいいなと思っていました。舞台が田舎なので、そういう空気感も閉じ込められたらなと。

 コメディ作品の時とタッチはそこまで変えたつもりはないのですが、リアルなものを目指したので影やシワを多く入れたりしています。もしもメディア化するならアニメより実写かなとは思っていました。

――次回作の構想は?

太川:あります。早く始められたらなと思っているので、お待ちいただけたら嬉しいです。

■太川善之の初連載作『田中と鈴木』(全3巻)も絶賛発売中:https://amzn.asia/d/2XrfDhT

©太川善之/小学館

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