上田竜也 小説家デビューへの期待 KAT-TUN時代からファンを圧倒してきたクリエイティブな才能

様々な経験を重ねたからこそ描ける青春小説への期待
上田は40代に突入した大人アイドルだ。にも関わらず、年々学ラン姿がしっくりとくるのはなぜか。バラエティ番組で見せるストイックで男気溢れる奮闘ぶりに、眩しさすらを感じるのはなぜか。その理由は、きっと彼が終わらない青春を生きているように見えるからではないかと思う。
夢を思い描き、理想と現実の間でもがき、仲間とぶつかり、そして傷つきながらも羽ばたいていく。多くの人がそれを若い時代に経験するが、おそらく若さだけが青春の条件ではないはず。音楽、ダンス、バラエティ、演劇……と、常に「上田竜也」を超えていくという理想を掲げて走り続ける上田を見ていると、そんな気持ちになる。だからこそ、上田が青春小説『この声が届くまで』を書き上げたのも納得だと感じたのだ。
『この声が届くまで』は、学生時代からの仲間で組んだバンドメンバーと絆を深めながら、憧れの武道館を目指す物語だという。「主人公の龍は、ほぼ僕ですね(笑)」という上田の言葉からも「ここで諦めたくねぇんだ! まだ自分の夢を諦めたくねぇんだ。俺はお前らと…他の誰でもねぇ!お前らと!やっぱりテッペン目指したい」と、本書から引用された台詞が彼の声で脳内再生される。自分の思いが伝わりにくく、勘違いされやすい。それゆえに上田は音楽に、そして小説に、口にはできなかった言葉を綴ることになったのかもしれない。























