『ぼざろ』『ガルクラ』ロック漫画がヒットの本命? 最注目『ロックは淑女の嗜みでして』が熱すぎる理由

ここ数年、アニメ界隈ではロックバンドを主題とした作品が次々とヒットを記録している。4月3日から放送が始まった『ロックは淑女の嗜みでして』(TBS系)は、そんなムーブメントをさらに熱く燃え上がらせる起爆剤となるかもしれない。
同アニメは、福田宏が2022年から『ヤングアニマル』(白泉社)で連載しているマンガが原作。公式が「お嬢様×ロック青春譚」と銘打っている通り、一見花のように可憐なお嬢様たちが情熱的なロック魂を見せ付けていくストーリーだ。
物語の舞台となるのは、一流の淑女(レディ)しか在籍を許されないという超お嬢様学校「桜心女学園高等部」。主人公の鈴ノ宮りりさは“関東の不動産王”を父にもつ令嬢で、洗練された所作によってほかの生徒たちの憧れの的となっている。しかし実際には1年前まではただの庶民で、親の再婚をきっかけに上流階級の仲間入りを果たした“なんちゃってお嬢様”だった。
窮屈な毎日にストレスを感じつつ、「学園一のお嬢様」(ノーブル・メイデン)の称号を得るため本性を隠すりりさだったが、ある日学園の有名人である黒鉄音羽がドラムを叩いている場面に遭遇する。さらに彼女からギターを弾けることを見抜かれ、タイマンでのセッションを持ち掛けられることに。そしてりりさの胸に、かつて捨てたはずのギターへの情熱が蘇ってくる……。
魅力といえば、なんといっても登場人物たちのギャップの大きさだ。普段は砂糖菓子のように外面をコーティングしたお嬢様たちが、いざ演奏となるとスイッチオン。まるで獣のごとく闘争心剥き出しになり、汗まみれでパフォーマンスを行う。しかも人格まで一変し、“本音”で罵り合いながらお互いを高めていく。たとえば普段のほほんとしている音羽は、初めてのセッションで豹変するとりりさの演奏を「線香花火」「不燃ゴミ」と切り捨て、挙句の果てには中指を屹立させる。
本作を手掛けた福田宏は、激しい戦闘描写で知られる『常住戦陣!!ムシブギョー』の作者でもあるため、バトルマンガのいろはを熟知していることは想像に難くない。その技術を注ぎ込んでいるためか、『ロックは淑女の嗜みでして』の演奏シーンは命がけの真剣勝負といった迫力が醸し出されている。




















