ガールズバンド漫画『ぼっち・ざ・ろっく!』『ロックは淑女の嗜みでして』続くアニメ化で期待すること

■漫画の面白さとアニメ化へのポイント
ガールズバンド漫画の話題が尽きない。はまじあきの漫画『ぼっち・ざ・ろっく!』(芳文社)のアニメ2期制作が決定し、音楽と物語がどのように紡がれるのかといった関心を誘っている。福田宏の漫画『ロックは淑女の嗜みでして』(白泉社)も4月からのアニメ放送を前にPVが公開され、何かヤバいものが始まりそうだと期待を煽っている。漫画のどこに面白さがあり、アニメ化ではどこがポイントになるのか?
2月15日に開催された「結束バンドTOUR “We will B”」で発表されたアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の2期制作に関する告知は、作品のファンを大いに喜ばせ、同時にどうなるのだろうといった興味を抱かせた。アニメの続きを観られるのは素直に嬉しいが、監督が斎藤圭一郎から山本ゆうすけに代わり、キャラクターデザインにけろりらと共に小田景門が名前を連ねることがもたらす影響が読めなかったからだ。
直後にYouTubeのアニプレックスチャンネルで公開された「【緊急】「ぼっち・ざ・らじお!」【特別編】」で、斎藤監督から2期で描かれるだろう展開では、バンド演奏の場面が増えていくため、1期以上の熱量やリソースを注ぎ込む必要があるといったコメントが出た。実際、学園祭ライブで一区切りとなったアニメ1期から続く原作の展開は、ひとりが参加する結束バンドがどんどんと高みを目指すバンドものとしての色を濃くしていく。
ぽいずんやみという名の音楽ライターが現れて、バンドシーンの中での結束バンドの評価が語られるようにる。、SIDEROSというライバル的なポジションに立つガールズバンドも登場して、結束バンドのメンバーを本気で音楽へと向かわせる。配信へのアクセスを稼ごうと大量にエフェクターを買い込むひとりのコミカルなエピソードも挟まれるが、ストーリー自体は音楽フェスへの出場権をかけたコンテストに出場を決め、楽曲作りや練習に励むといったエピソードが積み重なっていく。
そうした努力がもたらす結果を経て、バンドとしての存在感を高めていく原作の展開を見通した上で2期を作るとなった時に、やはり相当な覚悟が必要だったのだろう。斎藤監督から山本新監督に引き継がれた理由には、そうした状況と対峙するのにより相応しい人材だといった判断があったようだ。
音楽と向き合う登場人物たちの内面を、より深く感じさせるアニメになっていくだろう2期で、小田景門がキャラクターデザインに起用されたことにも意味がありそうだ。1期の1話「転がるぼっち」でギターを始めてみようと心に決めて、家の階段を上がっていくひとりを描いた小田を、けろりらは「作品観を理解してくれている」「作品に対する解像度が高い」と評価している。キャラクターが増えて絡みも多くなる2期を任せるに相応しいアニメーターと判断したと言えそうだ。
音楽がどのように描かれるのかも気になるところだ。SIDEROSや他のバンドの演奏を、結束バンドのように作り込んでいくとなるとやはり相当なリソースが必要になるだろう。結束バンドの楽曲がどれも名曲だっただけに、担当者にのしかかっているプレッシャーも凄まじいはずだ。
そうした展開を分かった上で、2期の制作にゴーサインが出て手がけるスタッフの構成も決まったからには、描ききる確信が得られたと見るべきだろう。原作に描かれるSIDEROSの大槻ヨヨコのツンデレぶりやバンドとしての人気ぶり、奥手だったひとりが本気でフェスに挑もうと思うようになる姿、結果として奏でられる音楽の素晴らしさがしっかり描かれると確信して登場を待ちたい。





















