THE RAMPAGE・長谷川慎が語る、ファッションへの想い「自分が好きだと感じるモノばっかり身に着けてます」

――猪立山泰人さんが撮影した「night out」と、高橋夏海さんが撮影した「various」で、特に印象的なカットを挙げるとしたら、どの写真でしょうか。
全部お気に入りすぎて選ぶのが難しいですけど……泰人くんだったら「joker」かな。鏡越しに撮影してる泰人くんも映ってるので(笑)。
――え!?……本当だ!斬新!
カメラマンも映り込むって、なかなかないですよね。しかも、ここで着ているトランプ柄の白い服は、僕がDICKIESとコラボして制作したアイテムで。自分が作った服を身に纏い、自分が好きなフォトグラファーに写真を撮ってもらうっていう、自分が好きなファッションやクリエイティブが全部詰め込まれている写真なので、すごく思い入れがあります。(「joker」の最後の写真で、自身が横たわっているカットを指差しながら)これが『melt』(溶ける)を一番表現してるんじゃないかな? テキーラを飲んで潰れてるところ(笑)。
――確かにmeltしちゃってますね(笑)。でも、酔っ払ってる演技でしょう?
いえ、この撮影日は、移動中から実際にお酒を飲んでたので、「joker」の現場は終始酔っ払ってて。特に後半の写真は、良い感じに酔ってきた時に「テキーラ飲もうぜ!」って盛り上がって、スタッフもみんな飲んで撮影してました。
――そういう裏話を聞くと破天荒な感じがしますが、『melt』のインタビューページに「お酒は自分にとってはライフスタイルの一部で、カルチャーやクリエイションにも繋がる大事な要素」と書いてありますから、お酒も撮影に欠かせないアイテムだったんでしょうね。
そうそう。“テキーラでmelt”って言うと、冗談に聞こえるかもしれないですけど(笑)。お酒も含めて、“日々いろいろなモノを吸収し、それらを自分の中で溶かしながら、唯一無二の長谷川慎を創っていく”という『melt』のコンセプトを一番表現しているカットだなと思います。
――「various」に関しても、お気に入りのカットを教えてください。
夏海ちゃんの写真だったら、「cowboy」かな。これはジョニーさんのスタイリングも好きだし、写真の昔っぽい質感も好きですね。言ってしまえば、ロケーションはただの道じゃないですか。でも、夏海ちゃんの感性1つで、ここまでアーティスティックになるのか!と、仕上がった写真を見て驚きました。
――小道具の馬も良い味出してますね。
(真面目な表情で)この馬は道に落ちてて……。
――(食い気味に)落ちてるかぁー!(笑)
あはははは! これはスタジオからお借りしたプロップスなんですけど。道端で馬に乗って、ヴィトンのバッグをたくさん持って、財布からお金出して……って、すごくヘンな世界観じゃないですか。でも、この異質な感じがシュールで好きですね。
――ここで着用している服も、ジョニーさんが用意されたんですか?
そうです。本来スタイリストさんは、さまざまなブランドから服をお借りしてスタイリングを組むっていう方が大半だと思うんですが、彼の場合は、自分のクローゼットにある服だけでスタイリングを組めるくらい、たくさんの服を持っているんです。バリエーションも多くて。だから、中にはWACKO MARIAからお借りしたスーツや、先ほど紹介したコラボ衣装を着ているカットもあるんですが、基本的にはジョニーさんの私物で構成されていて。そこに僕もアクセサリーなどの私物を持ち寄って、2人で相談しながらスタイリングを組んでいきましたね。ファッション好きな人間としては、脳汁ドバー!みたいな、最高に楽しい時間でした。
――そして、「change」で慎さんの髪を切っている“長谷川さん”は……?
僕のお父さんです。
――カッコいいお父様ですね。なぜ一緒に撮影することになったんですか?
実は『melt』の撮影期間にドラマ出演が決まって、役作りで、髪を切って染めなきゃいけなくなりまして。
――ドラマ『レッドブルー』(MBS、TBS系)ですか。
はい。それで最初は幻冬舎さんチームも僕もピンチに陥ったんですよ。最初の打ち合わせでは、1冊丸々黒髪でいく予定だったから「途中から銀髪になるんだけど、どうすんの!?」って(笑)。でも役柄として髪を染めないっていう選択肢はなかったから、「どうせ髪を切って染めるなら、その瞬間も撮ったら良くない?」っていう逆転の発想で、いつも髪を切ってもらってるお父さんと一緒に撮影することにしました。
結果的にめちゃくちゃ斬新なビジュアルになったし、表紙になるくらい大成功でしたね。ちょっと長めの黒髪と短い銀髪という、真逆のビジュアルを1冊に収めるなんてなかなかないことですし、読者の方も見ていて面白いんじゃないかなと思います。
――「change」は慎さんのクリエイティブの瞬間を臨場感たっぷりに伝えると同時に、俳優としての一面や、ご家族との関係性も垣間見えるページでもあるんですね。お父様は普段から慎さんの髪を切られているんですか?
お父さんは美容師なので、僕が子どもの頃から髪を切ってくれていて、今でもMV撮影やライブの前に切ってもらってます。ただ、時間に余裕がある時は自ら横浜(地元)の店に行くんですけど、時間がない時は「今から家来て、切って」ってお願いしてて。そうすると、仕事終わりでわざわざ僕の家まで来てくれるんですよ。で、10~15分で髪を切って帰るっていう……(笑)。
――家族だから言えるワガママですね(笑)。
そんな信頼しきってる様子が、「change」の写真からは伝わってくると思います。あと個人的に、お父さんがまだ若いうちにカッコいい姿を物理的に残したいなと思っていたんですよね。いつかお父さんがシワッシワのヨレッヨレになった時でも(笑)、この本を見ればキリッとした美容師姿が見られるからいいなって。もし将来的に僕に子どもができた時に、カッコいいおじいちゃんの姿を孫に見せられたらいいなって。このページは、そういう未来への想いも込めて撮影しました。
――お父様から見た“アーティスト・長谷川慎”はどういう存在なんでしょうか。
どうなんだろう……? ちゃんと聞いたことはないですけど、僕のやりたいことやスタイルは理解してくれてて、前向きに応援してくれてますね。自分から見たお父さんもめちゃくちゃカッコいいからリスペクトしてるし、お父さんも自分に対して、ずっとリスペクトを持って接してくれてるなって感じます。






















