老舗アイドル誌『WiNK UP』休刊 月刊アイドル誌は『Myojo』『DUeT』のみに 識者が今後を考察

『WiNK UP』休刊、アイドル月刊誌の現状

アイドル雑誌の形を更新する企画力と企業体力

 昨年7月には1992年創刊の麻布台出版社の『ポポロ』が9月号(2024年7月22日発行)をもって休刊。さらに、1984年創刊のワン・パブリッシングの『POTATO』も今年5月号 (3月22日発行)より月刊誌から隔月発売のA4ワイド判に変更されるなど変革の時を迎えている。

 月刊誌を維持している『Myojo』は、1952年創刊と草分けとして牙城を築いてきた、いわばアイドル雑誌の王者。次期デビューを占う読者投票の「ジュニア大賞」は業界にも大きなインパクトを与えてきた。さらに、読者層がファンであるという信頼のもとで綴られるディープなロングインタビュー、連載で築かれた関係性があればこそ実現する海外や富士登山などの大型ロケ撮影、アイドルの希望を叶えるスペシャル企画に、長期連載をまとめた本の出版……と、王道アイドル雑誌としての道を切り拓いてきた。

 一方、1986年創刊の『DUeTt』もカードピンナップや綴込ピンナップなど、手元に残せる付録に力を入れてきた印象。さらに、昨年11月には別冊として『Duet LUXE』を新たに発行しており、30歳で卒業と言われてきた大人アイドルたちを特集するという新たな試みも。4月16日には『Duet LUXE vol.2』が発売されるが、その表紙Bには、timeleszのオーディション番組『timelesz project』(通称『タイプロ』)で注目を集めた寺西拓人が起用されているのも興味深い。寺西はすでに30歳と大人になってからのブレイクということもあり『Duet LUXE』にハマった形だ。

 ちなみに『Myojo』も『DUeT』も集英社グループという意味では、やはり大手出版社の財力が生き残りのキーとなっていることは否めないようだ。他ジャンルの雑誌でも多くのアイドルがその魅力を発信していることもあり、アイドルの売れ方も、ファンの推し方も多様な時代となってきた。今後は、ますますアイドル雑誌の形を更新し続ける企画力と、それを実現できる体力が求められている。

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