『御上先生』髙石あかりは何がすごい? ファースト写真集で見せていた被写体としての“表現力”

映像でも発揮されている「被写体としての強さ」
朝ドラ『ばけばけ』(NHK総合)でヒロインを務めることも決まっている髙石は、『ベイビーわるきゅーれ』シリーズをはじめとし、これまでさまざまなタイプの役どころで、いろいろなテイストの演技で、私たちを魅了してきた。そしてその力は、映像作品でのみ発揮されるものではない。
昨年の2月には、髙石にとってはじめての写真集となった『幻灯』が発売。いくらかページをめくってもらえば、彼女の被写体としての強さが分かることだろう。瑞々しい笑顔を浮かべた写真には、何かを気負うことなく、その場/その瞬間に等身大のまま存在しようとしている髙石の姿が収められている。そのいっぽう、クールにキメている写真からは、“髙石あかりでありながら髙石あかりではない何か”を演じている印象を受ける。もちろんそこに、セリフはない。けれども一枚一枚の写真からは、誰もがそこに何かしらの物語を見出すことができるような存在感がある。『御上先生』の大部分で髙石が徹していたパフォーマンスは、これに近いものなのではないかと思う。
セリフの有無に関わらず、キャラクターを表現してみせることができる。これが俳優・髙石あかりの大きな強みだろう。気になる方は『幻灯』を手に取ってみるといい。俳優の仕事とはセリフを口にすることだけではないのだと、改めて理解していただけるはずである。

























