発売から3ヶ月連続重版! 『有吉佐和子ベスト・エッセイ』2万部突破で著者写真掲載の新帯に

『有吉佐和子ベスト・エッセイ』2万部突破

 『有吉佐和子ベスト・エッセイ』(岡本和宜編・ちくま文庫)が、1月14日の発売から3ヶ月連続で重版が決定し、累計発行部数が2万部を突破した(2025年3月26日現在累計発行部数2万3,000部)。

 1977(昭和52)年に刊行された連作短編小説「青い壺」は、2011(平成23)年の新装版(文春文庫)が60万部を突破するほどの反響をよんでいる。この大ヒットの影響から“昭和のベストセラー作家”の等身大の姿が読み取れるエッセイが本書だ。

 有吉は「紀ノ川」「華岡青洲の妻」「恍惚の人」など、日本の歴史や社会問題を題材にした多くのベストセラー作品で知られる小説家。有吉は小説に専念するため、1960(昭和35)年ごろからエッセイの書き下ろしや出版を断るようになっていた。

 本書編者の岡本和宜は「本にまとめられない作品が散逸していて、惜しいと感じていた。有吉さんは研究者顔負けの徹底した取材と綿密な準備をする作家。エッセイからは等身大の作家の姿が読み取れる。マウンティングや SNS 時代の生きづらさなど、現代の課題にも通じる鋭い洞察が随所にあり、今読んでも強い共感を得られる。有吉佐和子さんの多面的な魅力に迫った一冊なので、あまり知られていない一面に触れてほしい。」と話している。

 1956(昭和31)年に25歳の若さで「女流作家」としてデビューした頃の苦労、興味の赴くままどんなところへも飛び出して旅をする行動派の姿、仕事に入れ込み過ぎて体調を崩した経験など……。本書はありのままの女性としての姿とともに、骨太な作品を描く土台になった博覧強記ぶりもうかがえるエピソードが満載のエッセイとルポルタージュ56篇を収録した文庫オリジナル・アンソロジーだ。

■著者/編者プロフィール
著者:有吉佐和子(ありよし・さわこ)
1931年、和歌山市生まれ。作家。東京女子大学短期大学部英語科卒。1956年『地唄』で芥川賞候補となり、文壇デビュー。以降、『紀ノ川』『華岡青洲の妻』『恍惚の人』『複合汚染』『和宮様御留』など話題作を発表し続けた昭和を代表するベストセラー作家。1984年没。

編者:岡本和宜(おかもと・かずのり)
1975年生まれ。近代文学研究者。皇學館大学大学院博士後期課程満期退学。著書に『丹羽文雄書誌』、編著『有吉佐和子の本棚』、共著に『有吉佐和子の世界』などがある。

■書誌情報
タイトル:『有吉佐和子ベスト・エッセイ』
著者名:有吉佐和子
編者名:岡本和宜
発行:筑摩書房
発売日:2025/01/14
レーベル:ちくま文庫
定価:990 円(税込)
ISBN:978-4-480-44006-8
書誌ページ URL:https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480440068/

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