『クジャクのダンス、誰が見た?』は『ふてほど』超える注目作に? 識者に聞く、早くも考察合戦が進むワケ

『クジャクのダンス、誰が見た?』なぜ話題

 ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS)が1月24日(金)に放送をスタートした。浅見理都が講談社「KISS」で連載している同名漫画が原作のサスペンスドラマで、同枠で2024年に流行した『不適切にもほどがある!』を超える視聴率を記録し、話題を呼んでいる。

 最愛の父が殺され、犯人が捕まるも、その犯人は冤罪だという父の遺書が見つかり…… 確かなものは何もない中、主人公・山下心麦(広瀬すず)は事件の真相を追うことになる。刑事事件の弁護人・松風義輝(松山ケンイチ)という協力者を得たと思いきや、心麦と父親に血縁関係はなかったのでは?という新たな謎が提示されたところでドラマ1話は幕を引いた。

 怪しい動きをする登場人物も多く、早くも真犯人は誰なのか考察する視聴者も続出するほど注目を集めている本作。映画やドラマに詳しいライター・編集者のSYO氏も「これは当たる」と感じたと言う。

王道的サスペンスの作りで細部にこだわり

「最初に謎を提示して、最後に『真犯人はこの中にいる?』と思わせるクリフハンガーを作るなど、多くの人が見慣れている日本のサスペンスドラマの王道的なフォーマットを丁寧にやっている印象です。

 加えて、画面にスカイツリーを映り込ませておしゃれなイメージを演出したり、弁護士事務所の美術がしっかり作られていたり、細部がものすごく詰められている。映像としても見やすくクオリティが高いと感じました。昨今はかっこいい映像が巷に溢れているので、映像がダサいと冷めてしまうという視聴者も少なくないでしょう。しかし本作は、心麦役の広瀬すずが警察署に向かうシーンをドローンで撮影したり、川沿いでのシーンでは引きのカットを上手く使うなど、カメラワークにもこだわりがあってかっこよく仕上がっています。引きの映像を撮るには、それだけ車止めをしたり人払いをする必要がある。細部まで徹底して作り込もうという気合いを感じます」(SYO氏)

 ドラマ第1話の大筋はちょうど原作第1巻分となっている。ほぼ原作を忠実に再現しているが、一部原作にはない演出・シーンも加えられていた。原作から改変されたポイントも効果的に活きているとSYO氏は分析する。

「例えば松山ケンイチさんが広瀬すずさんに向かって『私が君の目になる』と宣言するシーンがありました。普通に考えると臭いセリフですが、その後すぐに広瀬さんは『なに言ってるの?』という感じで否定します。ここでリアリティラインが保たれているから、ドラマ的な演出も不自然にならない。続いて、松山さんがプリンにコーヒーをかけて、これはプリンかどうかと問うシーンがありましたが、これも松山さんの芝居のフラットさ、 舞台美術の確かさで、浮いたシーンにはならず、かっこよく成立していました。1回崩して、ちゃんと決めるところを決める。だから視聴者もついていけるんです」(SYO氏)

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