藍染カレン、ZOCへの思いと目指す未来「私はずっと“変身”をテーマに活動している」

元ZOC・藍染カレン『藍臓』インタビュー

 ZOC(現・ZOCX)のオリジナルメンバーとして6年にわたり活動してきた藍染カレンが、2024年11月についにグループを卒業し、初めてのフォトエッセイ『藍染カレン フォトエッセイ 藍臓』(玄光社)を、2025年1月31日に刊行した。

『藍染カレン フォトエッセイ 藍臓』(玄光社)

 波瀾万丈なZOCの話題でSNSが燃え上がっても沈黙を貫き活動を続けてきた藍染が、卒業を機に語ったグループへの本音と、自分自身の半生を詰めこんだ一冊。苦しい現実に直面しながらもZOCに夢中だった彼女の、衝動の日々がたっぷりと記されている。

 そこで、今回のインタビューでは、フォトエッセイ制作の裏側をたどりながら“今後”について聞いてみた。アイドルを経て役者の道を選んだ藍染は、どんな未来を描いているのだろうか。

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「あのとき、何も思わなかったわけないじゃん」

――フォトエッセイのオファーが来たとき、どう思いましたか?

藍染カレン(以下、藍染):嬉しかったです。ZOC全員では2度ほど本を出させてもらっていたんですが、私個人の本もいつか出してみたいなと思っていたんですよ。それも、写真がたくさん載っている自分だけの本を出したいなとぼんやり考えていたので、卒業を発表したタイミングで声をかけていただけたときは、ぜひぜひ!という気持ちでした。

――では、もとから構想はあった。

藍染:ありました。アイドルをずっとやっていたので、私のビジュアルを好きでいてくださるファンの方もいて、「本を出してほしい」という声をいただいていたんです。だから「自分で作るなら、写真を載せたいな」「こんな写真が撮れたら……」と、なんとなく考えていたんですよね。あと卒業後に出すので、ZOCで活動するなかで思っていたこととかも言えるかなって。

『藍染カレン フォトエッセイ 藍臓』(玄光社)
『藍染カレン フォトエッセイ 藍臓』(玄光社)
『藍染カレン フォトエッセイ 藍臓』(玄光社)

 

――これまで、ほぼ表で語っていませんものね。

藍染:はい。私が在籍していたときのZOCは、結構いろんな問題が起こっていたんですけど(笑)、そんな渦中にいながら私は何が起きても喋らない選択をしてきたんです。ただ、本という媒体なら喋ってもいいのかもなと思ったんですよ。私のことを好きで興味を持ってくれている人やZOCにちょっとでも触れたことがある人なら、知ってほしい話ができたと思っています。

――また、インタビュー中に涙を流してしまったこともあったと聞きました。

藍染:それこそ、ZOC活動中に思っていたことを話したときだと思います。つらくて泣いちゃったというよりは、当時のことを話すだけで勝手に涙が出てくる感じですね。表にはださなかったけど、あのときの私が何も思わなかったわけないんですよ。でも世間では「藍染カレンは心がないんじゃないか」「いろいろありすぎて、サイボーグみたいに何も思わなくなっちゃったのかも」と言われていたりしたんですけど、「んなわけねーじゃん!」っていうのが本音なんですよね。

――このタイミングでちゃんと言えてよかったですね。

藍染:メンバーの名前なども出して、かなり赤裸々に話しましたからね。ただ、あくまでも“私から見たZOC”の話なので、主観ではあります。これが正解ではないと理解したうえで読んでもらいたいですね。

  たくさん喋ってたくさん撮って、文字も写真もいっぱい詰めてもらった一冊になりました。実は今日、はじめて製本されたものを見たんですけど、私のすべて過ぎてちょっと恥ずかしいなと思ったくらいです(笑)。

「いろんなことがあった割には、目が死んでないね」と言われる

――全七幕で構成される『藍臓』。第二幕では、白ロリータ姿の藍染さんが見られますが、この服は絶対に着たかったそうですね。

藍染:そうなんです。自分の得意な色は赤や黒みたいな強い色なので、白を選ぶことがまずなくて、憧れがあったんですよ。ロリータ自体はZOCの活動中に何度か着させてもらったんですけど、「白ロリータを着てみたいな」と思って、本を出すと決まったときに「絶対着るぞ!」と、一式買いました!

『藍染カレン フォトエッセイ 藍臓』(玄光社)

――しかも、ロケーションがいいですよね。ロリータならかわいいに全振りしてもいいけれど、あえて路地や古めかしい建物をバックに撮っていて。

藍染:ありがとうございます。これ、高円寺なんです。高円寺は、熊本から東京に出てきたばかりの頃よく遊びに行っていた街。サブカルチャーが盛んだし、当時から好きだった(大森)靖子ちゃんが活動をはじめたのも高円寺のライブハウスなので、自分にとって文化の中心みたいな場所なんですよ。そこで、高校生の頃に見ていたインターネットの世界を体現したくて。ロリータを組み合わせて、退廃的な雰囲気にしました。

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