「楽器店への恩返し」野村義男、レアギターへの思いーー“思わず検索したくなる”ギター・コレクション
“よっちゃん”のギターコレクションを網羅!
日本屈指のギターコレクター&愛好家であるミュージシャン、野村義男のコレクションを紹介する『野村義男の“思わず検索したくなる”ギター・コレクション還暦記念増補版』が10月11日、リットーミュージックより出版された。掲載されているギターの本数は400本以上で、とにかく、ギター好きにとってはたまらない一冊となっている。
ヴィンテージギターから最新のモデル、価格帯も数千万円レベルから数万円まで、野村のコレクションは実に幅広い。ヴィンテージギターの最高峰であるギブソンの1959年製レスポールのほか、1958年製レスポール、フェンダーの1951年製“ノーキャスター”、そしてフェルナンデスからリリースされた野村自身のシグネチャーモデルまで網羅されている。
ギター1本1本に丁寧な解説も加えられており、入手に至るまでのエピソードも面白い。ギブソンの1984年製のレスポールカスタムは、なんとイケベ楽器のポイントを使ってゲットしたという逸品。近年、80年代のギブソンもじわじわと値上がりが続いているが、それをポイントで入手するとは。どれだけギターにお金をつぎ込めばいいのだろうか…。
よっちゃんの楽しそうな笑顔がたまらない
そして、野村はとにかく手先が器用なのである。アンプやエフェクターの改造は言うに及ばず、ウクレレを収納するケースまで自作してしまうほどだ。さらに、ギターファンの“あったらいいな”を実際に形にしてしまうのも野村の凄いところである。
例えば、ギブソンのエクスプローラーやフライングVのヘッドの形状を、レスポールと同じに改造してしまったのである(さすがにこれはプロにお願いしたというが)。これはありそうでなかったし、実物の写真を見るとまったく違和感なく馴染んでいるのがスゴイ。野村のセンスの良さが感じられる。
ギターの写真集と聞くと、何かと敷居が高そうなイメージである。本書は貴重なギターの資料集としても楽しめるが、何よりギターの楽しみ方が存分にまとめられているのが魅力だ。とにかく、野村がギターを手にした写真が、笑顔で楽しそうなのである。本書を手にしたら“ギターを弾いてみたい”、そして“買ってみたい!”と思うこと間違いなしだ。